影無茶のスポーツ24/7

ルール知らなくても面白く読んでいただけることを目指します

映画鑑賞記録(サブスク)「Fukushima 50」 当然のことながらこの映画だけで福島第一原発事故は語れない

仕事以外全部趣味

この映画は津波による電源喪失がもたらした福島第一原発の未曾有の事故に対し、最悪の事態を食い止めようとする吉田所長を始めとする50人の関係者の命を懸けた戦いを描いている。

多少のフィクションが混じっていても、基本職員たちが過去に経験のない危機に立ち向かっていく姿を映像化したものだ。

映画冒頭に事実にもとづく物語と字幕が出る。

現場の吉田所長と東電本部、政府との間で多くの衝突、意思疎通の欠如が描かれていて、それが危機回避への大きな障害になってはいるが、あくまでこれは東京電力サイドの映画だ。

住民たちが住み慣れた町を離れなければならない理不尽さ。

忸怩たる思い、憤り、虚しさ、絶望はほとんど語られていない。

その部分はダンカン演ずる福島民友記者が東電重役や閣僚に対して県民の今後を憂慮する主旨の質問をするが、それだけである。

申し訳程度に入れただけだ。

とは言う物の、住民側から見た原発事故もこの映画で描けばとても尺に収まらない。

少し穿った見方だが商業的に見ても東電側(原発職員)から描いた方が成功する確率が高い。

つまり、当然のことではあるが、この映画だけで福島第一原発事故は語れないのだ。

東京2020のようにSIDE:AとSIDE:Bに分ける必要があったのだ。

 


www.youtube.com