巨人の今季は既に終わっているが日本シリーズは正にたけなわ。
同一カードで行われた昨年のシリーズが近年にない面白さだったので今年もと期待した人は多かったと思われる。
しかし3戦を終わってヤクルトがオリックスを圧倒しているように見える。
第1戦はオリックスは絶対に勝たなければならない試合だった。
絶対エース山本で敗れたのは痛すぎる。
しかし第2戦はオリックス攻勢で中盤まで3点をリード。
守っては小刻みな継投策に出て8回まで踏ん張った。
この試合を逃げ切ればチームとしても盛り上がりシリーズの行方は全く予断を許さない状況になる・・・はずだった。
この試合をテレビ観戦していた。
8回ワゲスパックがピンチを切り抜けた後の9回表オリックスの攻撃。
私はこの攻撃がヤクルトの起死回生の同点3ランを生んだと思っている。
おそらく8回のピンチを切り抜けて、オリックス陣営は勝利を確信してしまった。
言い方を変えよう。
早く試合を終えて勝利の美酒に酔いたいと心のどこかにスキが生じた。
あまりにも淡白なオリックスの攻撃。
先頭打者が2球目を打ってショートゴロ。
次打者がツーボールからの3球目を打ってセカンドゴロ。
あっという間にツーアウトだ。
このまま簡単にスリーアウトになれば、8回のヤクルトの粘りは9回にも継続されて危ないと思った。
さらには3番中川のレフトへのヒット性のあたりを宮本がファインプレーのダイレクトキャッチで4番吉田に回ることなくスリーアウトチェンジ。
ヤクルトベンチは皆で宮本のプレーを祝福。
9回裏はヒット性の当たりを好捕した宮本から・・・。
このままでは終わらないという流れが出来てしまったのだ。
マウンドは新クローザー阿部で締めにかかる。
しかしその宮本が粘りに粘った後、痛烈な2塁打を放ちノーアウト2塁。
何かが動き出した。
ゲッツーも出来ないし、当然歩かすことは有り得ない。
続く塩見が際どいボールを見極め四球。
球場も騒然となり、ヤクルト俄然押せ押せのムードになる。
オリックス3点リードの雰囲気はこの時点でほとんどなくなってしまった。
あの村神様に回ってくるのだ。
その前に代打内山。
プロ2年目の若干二十歳の選手。
この内山が大仕事をやってのけることとなる。
ツーストライクと追い込まれた後、阿部の投じるフォークを2球続けて見逃し。
フォークを完全に見切っていた。
よくこのシチュエーションで落ち着いてピッチャーに対峙できるものだと感心。
そのあとのストレートを強打。
ボールはぐんぐん伸びスタンドイン。
起死回生の同点3ランとなり、オリックスは負けはしなかったが勝てなかった。
今シリーズヤクルトが2連覇を達成したならば、この9回の表オリックスの淡白な攻撃が大きな分岐点になったと言えるだろう。
それにしても、内山、二十歳。
巨人にもこれだけ勝負強い若手、育って欲しい。
最後は愚痴になりました。