問題児の烙印を押されているルイス・ネリ。
山中慎介氏との戦いにおける2度に渡るダーティな行為で現在日本でリングに上がることは出来ない。
そんなネリだが今回WBCスーパーバンタム級挑戦者決定戦でアザト・ホバニシアンを激闘の末11RTKOで勝利。
チャンピオンへの挑戦権を得てしまった。
この結果、井上尚弥と対戦の可能性が現実味を帯びてきたのだ。
正式発表はされていないが、おそらく井上選手はWBO・WBC2団体王者のスティーブン・フルトンと一戦交えることになるだろう。
WBOに続き先日WBCも井上尚弥をスーパーバンタム級1位にランク。
タイトルマッチの機運は高まっており後は発表を待つだけの状態だ。
確かにフルトンは過去最大の難敵だ。
実力は折り紙つき。
言動を聞いていてもクレバーな男だ。
フェザーに転向しようかというフルトンと軽いクラスから上がってきた井上尚弥。
身体の大きさも明らかにフルトン優位。
しかしだ。
井上はそういったハンデも全て乗り越えられるだけの技術、スピード、パンチ力、天性の当て勘などモンスターと言われるだけのポテンシャルが備わっている。
今までよりは苦戦するかもしれないが、必ずや井上が勝利してくれるだろう。
そうなると、いよいよルイス・ネリと対戦機運が高まってくることにある。
ネリとホバニシアンの対戦をダイジェストだがYouTubeで見た。
例によってネリはブンブン振り回す大きなパンチを繰り出してくる。
ホバニシアンも重いパンチをネリに見舞う。
平均するとしつこくパンチを繰り出すホバニシアンの方が手数が多いが、ネリはここぞと言う時にまとめてパンチを放ってくる。
なかなかスリリングな試合でネリがホバニシアンのパンチを被弾する場面も多い。
しかし10R、ホバニシアンがネリの左右のパンチを被弾してダウン。
11R反撃を試みるホバニシアン。
ネリはガードを固めながら機を見て連続で左フック2発。
ロープに下がるホバニシアンをネリは追撃しとどめに左右のパンチを出したところでレフェリーが試合を止める。
何だかんだ言ってもネリは強い。
実は山中氏がアンセルモ・モレノをくだし12度目の防衛に成功した時に投稿した記事で、具志堅氏に並ぶ13度目の防衛戦相手を予想したが、最も危険なのはルイス・ネリと書いていた。
結局そのネリと山中氏は戦うことになったが別の意味で危険な相手だったという訳だ。
その時のドーピング問題と、再戦での度を越したウェイトオーバーは断じて許されるものではないが、かなりの実力を持っていることは否定できない。
早速、ネリは井上選手に対して挑発的な言動を発しているようだが、こうなれば井上選手にネリを完膚なきまでに打ちのめして欲しいという思いが沸きあがってきた。
ネリは確かにパンチ力はある。
ここぞと言う時の爆発力もなかなかのものだ。
しかしスピードがあるかと言えばそうでもない。
ブンブン振り回してくる左右のパンチは相手選手が防戦一方になれば脅威だが、井上がそのパンチを貰う姿は想像できない。
さらに言えばネリは後半まで持つスタミナがあるとは思えない。
ボディーも弱そうだ。
とにかく挑戦権を得た訳だから井上選手がフルトンに勝てばWBCから指名試合としてネリとの対戦指示が出るだろう。
後はムロジョン・アフマダリエフが4月8日に行われる防衛戦に勝利した場合、4団体統一戦として井上選手との対戦がクローズアップされた時に、どちらが優先されるのかということだろう。
おそらくアフマダリエフが先に防衛戦を終えるので、GW前後に予想される井上選手とフルトンの結果によって今後の流れが決まってくるだろう。
いずれにしてもスーパーバンタムは因縁の相手や未知の相手などタレントが揃っており、どんなマッチメイクになってもドキドキワクワクの試合が見られるだろう。
いよいよモンスター井上尚弥の第2章が始まる。
井上尚弥 24戦24勝(21KO)
スティーブン・フルトン 21戦21勝(8KO)
ルイス・ネリ 35戦34勝(26KO)1敗
アザト・ホバニシアン 25戦21勝(17KO)4敗