モンスター井上尚弥がルイス・ネリを倒したのが5月6日。
まだ4カ月も経過していないのに、早くも防衛戦が行われる。
デビューしてから、年2度の試合は当たり前。
3試合行うことも過去に3度、4試合行ったこともある。
強さばかりが目立っているが、何と言うタフネス。
しかも階級もライトフライから始まって、今やフェザー転向も時間の問題。
我々が思っている以上の、とてつもないモンスター。
それが井上尚弥なのだ。
さて、今回の相手、テレンス・ジョン・ドヘニー。
実は以前に書いた記事で、ドヘニーとやるメリットは何もないと書いた。
勝って当たり前。
勝ち方にもこだわる必要がある。
海の向こうからは、ドヘニーをかませ犬、ミスマッチという評判も聞こえてくる。
今も、メリットがないとの考えは変わらない。
が、しかし、少し心境の変化があった。
実は最近になってそ、ドヘニーの恐さを感じるようになり、この相手に簡単に勝つようなら、アマダリエフもフェザーに行っても怖くないと思うようになった。
井上陣営が、スーパー・バンタムに居る限りは戦わなければならない相手と言ってるのも理解できる。
井上にとっては、ドヘニーに勝つことで、転向後を含めた今後の展望が開ける。
それがドヘニー戦唯一のメリットなのだと考えるようにした。
恐いのは、やはりドヘニーの左フック。
ネリ戦初回にダウンを喫したが、もしあれをドヘニーから貰ってしまうようなことがあれば、井上としても大きなダメージを負うことになる。
ドヘニーはネリ以上のパンチ力を持っている。
ジェフェスリー・ラミド戦。
あの試合もラミドが勝って当たり前と言われていた試合だ。
ところが試合は1ラウンド、ドヘニーの左がラミドの顔面を捉えた。
ラミドは立ち上がり、レフェリーは試合を続行したが、結局TKO負け。
事実上ドヘニー左のワンパンチで勝負あったのだ。
中嶋一輝戦も同様に左フックが、幾度も中嶋のテンプルを捉えてTKO勝ち。
ラミドも中嶋も、ドヘニーの左が見えてなかったように思える。
見た印象よりパンチスピードがあるんだろう。
逆に言えば、怖いのはこの左だけ。
井上のディフェンス技術がある限り、ドヘニーの左を貰うことは無いと思うが。
左を早々に見切ることが出来れば、あとは順序だててドヘニーを料理していくだけだ。
井上の強みは多少相手が弱いと思われていても、全く油断をしない事。
過去、ボクシングで絶対王者が負ける時は、格下相手ということがままある。
しかし、井上にはその心配がないのだ。
無理に早いラウンドで決着をつけることもない。
スタミナを消耗させて、最後は心が折れるようなパンチをドヘニーに浴びせて、世界戦9連続KO勝利の記録を作ってくれる。
間違いない。
S・バンタム級4団体統一王者 井上尚弥 27戦27勝(24KO)
S・バンタム級2位 テレンス・ジョン・ドヘニー 30戦26勝(20KO)4敗