仕事以外全部趣味
歌舞伎、演劇、映画、過去数多く演じられてきた南総里見八犬伝。
特撮満載、特殊メイク満載、角川３人娘薬師丸ひろ子主演で大ヒット。
私のような世代は八犬伝映画と言えば、この角川版が脳裏に浮かぶが、今回「ピンポン」「ＩＣＨＩ」の曽利文彦がメガホンを取った。
八犬伝を書き上げるに要した、２８年の長きにわたる執筆物語だ。
観に行く方は、それを理解しておいた方が良いだろう。
もちろん、里見家にかけられた呪いを解くために引き寄せられる、８人の剣士の活躍もＶＦＸを駆使しながら存分に描かれている。
劇中、馬琴は嘘の物語でも、多少歴史認識にずれがあっても、面白いものが書ければそれで良いと語り、ベストセラー作家滝沢馬琴の信条が見て取れる。
映画は馬琴が物語を紡いでゆく過程と、里見家に呪いがかけられたきっかけ、その呪いを解く為に集まった８人の剣士の活躍を交互に見せる。
創作意欲は充分ある物の、完成に至るまでに長い年月を必要とした馬琴の苦労と苦悩。
過去に馬琴作品の挿絵を手がけた葛飾北斎との絡みが一服の清涼剤となっている。
かなり長尺なので、手洗いは済まして臨むことをお勧めする。
