フィギュアスケートは前半のヤマ場、GPファイナルを迎える。
来シーズンはミラノ・コルティナ五輪。
プレシーズンの今季中に、各選手課題をクリアしておきたい。
それと同時に、今シーズンある程度上位に位置しないと、五輪イヤーで上位を狙うことは困難を極める。
ルッツやフリップが苦手な選手は多いが、エッジ違反もなく跳べるようになっていないと、本番では使えない。
それは高得点の要素を最初からあきらめるということになる。
昨シーズンと今シーズンで異なる雰囲気の振付をしている選手も多く、来シーズンどのスタイルで挑むのかも決めなければならない。
審判に良い印象を残す事も大切だ。
やらなければならないことはとても多い。
そんな今シーズン。
GPファイナルからナショナル選手権(日本なら全日本)を経て、今シーズン最大目標の世界選手権でライバル選手や、審判団にどれだけアピールできるか。
長く厳しい戦いはこれから始まるのだ。
GPシリーズは6戦行われ、順位ごとにポイントが与えられ、2試合の合計ポイントで上位6名がファイナルに進出できる仕組み。
(同ポイントの場合の決定方法については今回割愛させていただく)
男女シングルの出場選手は以下の通り。
女子(Pベスト➝パーソナルベスト Sベスト➝今シーズンベスト)
- 坂本花織 Pベスト236.09 Sベスト231.88
- アンバー・グレン Pベスト215.54 Sベスト215.54
- 樋口新葉 Pベスト214.44 Sベスト206.08
- 吉田陽菜 Pベスト208.31 Sベスト199.46
- 千葉百音 Pベスト214.98 Sベスト212.54
- 松生理乃 Pベスト202.21 Sベスト199.20
男子
- イリア・マリニン Pベスト333.76 Sベスト312.55
- 鍵山優真 Pベスト310.05 Sベスト300.09
- 佐藤 駿 Pベスト285.88 Sベスト285.88
- ケビン・エイモズ Pベスト282.97 Sベスト282.88
- ダニエル・グラスル Pベスト278.07 Sベスト267.08
- ミハイル・シャイドロフ Pベスト276.17 Sベスト276.17
女子は何と6人中5人が日本勢。
ファイナル出場選手以外にも昨シーズン4大陸で3位表彰台の渡辺倫果選手や、昨年ファイナル出場の住吉りおん選手、それに三原舞依選手などが今回出場できない程のハイレベルだ。
日本勢の表彰台独占の可能性もあるが、アメリカのアンバー・グレンが今季好調で、今年自己ベストを更新してきた。
今期のスコアは坂本以外の日本勢を上回る。
坂本、グレンと、復活成った樋口選手か千葉選手のどちらかが表彰台と予想する。
注目したいのは樋口選手。
全日本での戦慄のデビューが忘れられず、強烈な負けず嫌いが頼もしかった。
言ってもまだ23歳。
いかにフィギュアスケートが低年齢化していたかを示す。
そんな中、今も第一線で活躍している樋口選手には拍手を送りたい。
男子はイリア・マリニンの独壇場。
対抗一番の鍵山選手だが、今季試合ごとに悪くなっている。
フィンランド杯は信じられない程の不出来。
オリンピックシーズンでなくて良かった。
今シーズンはまだこれからなので、調整をしながら世界選手権で少しでもマリニンに肉薄して、来季につなげて欲しい。
オリンピックで銀2個、世界選手権で銀3個。
宇野昌磨氏引退の後、日本男子を背負うのは鍵山選手。
プレッシャーは半端ないだろうが、まずはジャンプを安定して跳べるようにして、全日本ではファンを安心させて欲しい。
佐藤駿選手も、着実に上位に入ってくる。
もしかしたら今後の伸び率は一番かもしれないと思っていて、アッと驚く演技を見せてくれるかもしれない。
マリニンを除く外国勢では、アダム・シャオ・イムファの欠場が残念。
世界でトータル300点越えスケーター6人(引退選手含む)の内のひとり。
出てくれば当然表彰台圏内だったが、足首の怪我ということ。
来季を見据え大事を取ったということだろう。
今回ファイナル進出はならなかった三浦佳生を含め、鍵山、佐藤、と三浦の3人は年も近く、切磋琢磨してトップを目指して欲しい。
GPファイナルで優勝すれば、決定ではないが世界選手権代表の座が近づく。
果してどんなドラマが待っているのだろう。