現在バンタム級において4団体の王者は全て日本勢が占める。
中でも中谷潤人は、モンスター井上尚弥との対戦が熱望される程の存在。
実際中谷が見せるボクシングは、井上とは違う魅力にあふれる。
この二人の対戦が実現すれば、当然のことながら空前の盛上りとなる。
それも国内に留まらず世界のボクシングファン、関係者からも最大限の注目を浴びることになる。
そんな中谷潤人3度目の防衛戦。
相手はこれまで一度もダウンしたことが無い、全勝の挑戦者ダビド・クエジャル。
メキシカンファイターの触れ込み。
しかし、リングに登ったクエジャルの第一印象は正直頼りなく、怖さを感じない。
だが、怪しげな表情は不気味さを漂わせる。
どちらのクエジャルが本当の姿なのか。
注目のゴングがなる。
1R開始早々から、中谷の左が面白いようにヒットする。
サウスポー対策をやっていなかったのか、それとも想像を上回る中谷の上手さなのか。
ペースを取り戻そうと、クエジャルは武器の左を繰り出してくる。
1R、2Rと接近しての細かいパンチの応酬になるが、明らかにペースは中谷。
そして迎えた3R。
残り40秒あたりで、中谷の超絶コンビネーションがクエジャルを捉える。
これが、もう芸術的なコンビネーション。
左右、上下と多彩な攻撃で全てのパンチを的確にヒットさせ、クエジャルなす術もなくボクサー人生初のダウン。
このダウンで、クエジャルほぼ戦意喪失状態。
と言うより、何が何だかわからない状態に陥ってしまったように見えた。
何とか立ち上がるも、とどめを刺すような中谷の左フックで2度目のダウン。
とてもじゃないが立てる状態ではなかった。
身体も心も折れたクエジャルは、レフェリーの10カウントを聞くしかなかった。
衝撃、戦慄、正にビッグバン!
中谷潤人3R見事なノックアウトで圧勝。
試合後リングに上がったIBF王者西田凌佑と次戦での統一戦を宣言。
今日本ボクシングは史上最も面白い時代を迎えているのは間違いない。
この試合に先んじて行われた、119ポンド契約戦。
ジェイソン・モロニー対那須川天心の試合も見ごたえがあった。
モロニー1Rから超攻撃的なボクシングで那須川を捉える。
この試合に賭ける意気込みを感じる動きだ。
対する那須川も危ない場面はあったが、総合格闘技で培った勝負強さとド根性を発揮。
試合は10Rまでもつれ込み3対0の判定で那須川が勝利。
モロニーの攻撃に対して、最後まで強いメンタルで対応。
絶対に負けないぞ!という強靭な精神は、今後、より強い選手と戦うにあたり大きな武器となるだろう。
今日の試合を見て思ったのは、那須川に勝てるのは一発で相手を倒せるパンチを持つ選手しかいない。
打合いになれば、那須川選手の負けん気が有利になる。
試合後リング上でWBO王者武居由樹とエールを交わし、将来の対戦を約束。
さあ、次は誰と誰が対戦するのか。
目が離せない。
WBC世界バンタム級王者 中谷潤人30戦30勝(23KO)
挑戦者WBC6位 ダビド・クエジャル29戦28勝(18KO)1敗
WBCバンタム級5位 ジェイソン・モロニー 31戦27勝(19KO)4敗
IBF世界バンタム級王者 西田凌佑 10戦10勝(2KO)