フィギュアスケート選手の最大目標、世界選手権が終わった。
今回と次回の2回に分けて女子、男子シングルについて感想を。
今日はまず、女子シングルについて。
何と言っても3年ぶり復活のアリサ・リュウの優勝に尽きる。
66年ぶりの世界フィギュア4連覇を狙った坂本選手は惜しくも2位。
この差は心底楽しそうに演技するアリサと、難しいプログラムで、楽しく演技する余裕がなかった坂本の違いだったように思う。
13歳で全米優勝。
女子で史上初の4回転と3Aを同時に跳ぶなど、天才少女と呼ばれたアリサ・リュウ。
突然競技から引退した時は、びっくりを通り越してWhy!って気持ちだった。
ところが今シーズン3年ぶりに復帰。
NHK杯で、復活したアリサを見て驚いた。
少女から大人の女性へと大きな変化を遂げていたからだ。
最初は誰だかわからなかった。
そのNHK杯で見せた演技は素晴らしかった。
4回転は跳ばない。
しかし、そこには、ただ単に戻ってきただけではない、魅力倍増のアリサが居た。
あれから4か月。
アリサ・リュウは完全に復活していた。
NHK杯に比べ、スピードもジャンプの切れもスピンの美しさも、そして何より観衆を引き付ける魅力も全て上積みされていた。
4大陸をを含め、試合をしながら試合勘を取り戻してきたのだろう。
確かに天才少女と呼ばれていた頃のアリサ・リュウは凄かった。
しかし今回、アリサ・リュウは、シン・アリサとして帰ってきた。
これほどに体形が変わっても、世界のトップで居続けられる選手を私は知らない。
確かに4回転を跳べることは大きな武器であり、それもフィギュアスケートの魅力だ。
でも、今回のアリサの演技を見ていると、これこそが本当のフィギュアスケートだと思ってしまう。
SP、フリー、もちろん総合も全て自己ベスト。
フィギュアスケートは4回転だけではないことの証明だ。
もう一つ今大会で注目していたのは、日本勢のミラノ・コルティナ五輪3枠確保が成るかということ。
実は4大陸を見て、少し不安に思っていた。
多くの選手が体調を崩していたこともあってか、日本勢の成績が伸びなかった。
4大陸での千葉百音選手の緊張ぶりは、画面からも伝わってきて(これは全日本でも感じていたが)世界選手権でも緊張で力を出せないのでは・・・との不安もあった。
だが、その心配は杞憂に終わった。
フリーこそ昨シーズンの4大陸で出したパーソナルベストに僅か及ばなかったが、SPとトータルでは自己最高得点を記録。
3枠確保に大きく貢献した。
樋口新葉選手も持てる力を出し切った。
実は今回のフリーは、樋口選手史上最も好きなプログラム。
怪我によるブランクはあるが、長くトップ選手として活躍してきた樋口。
最近では、今年が最も安定しているように思う。
可能ならば来季オリンピックシーズンも、フリーは今年のプログラムに3Aを復活させた演技構成で臨んで欲しいがどうか。
最後に坂本選手について。
残念ながら世界選手権4連覇の偉業は成らなかったが、今年は来季に迫った五輪に向けて、あえて難しいプログラムに挑戦していた。
シーズン初めは、まだ手の内に入れられておらず、滑るのに精一杯の印象だった。
それがどんどん音楽と動きがマッチしてきて、今回の世界選手権では、ほぼ自分の物にしていたように見えた。
演技終了後の坂本選手の喜びようは、やり切った充実感を感じ取れた。
アリサ・リュウとの差は、ほんの僅か。
来季は坂本選手が得意とするスピードと、大きなジャンプを活かしながらも、彼女が持つ明るいキャラクターを見せられるようなプログラムを作って欲しい。
そうすれば、五輪での金メダル獲得も十分チャンスがある。
次回は男子シングルと、りくりゅうペアの事も少し。