井岡一翔とフェルナンド・マルティネスの試合を録画ではあるが見た。
すごい試合だった。
10Rに井岡がマルティネスから奪ったダウンは素晴らしかった。
手数が多く、前に前に出ながら打ってくるマルティネス。
地道にボディを打ち続ける井岡。
見栄えは明らかにマルティネスだし、被弾も多かった。
ディフェンスが超絶に上手い井岡も、マルティネスの攻撃をかわすのは至難の業だ。
しかし井岡は肉を切らせて骨を断つ戦法。
少しずつ、少しずつ、それが活きてくる。
動きがとまる時間が長くなるマルティネス。
前半と異なり、明らかに休む時間が増え、足が動かなくなってきたマルティネス。
観衆からも井岡コールが自然発生的に沸き起こる。
そして迎えた10R。
ついに井岡渾身の左右フックがマルティネスの顔面と顎を捉える。
マルティネスたまらずダウン。
かなり効いている。
井岡仕留めに行きたいが、マルティネスも根性の反撃でしのいでラウンド終了。
11R、12Rはもう凄かった。
両者死力を尽くしての打合い。
12Rは両者フラフラのはずなのに、リング中央で壮絶な打ち合い。
これはもう、本能の殴り合いだ。
正に死闘。
もはや技術を超越したパンチの応酬。
観衆は興奮のるつぼ。
結果はご存知のように3対0の判定でマルティネスが勝利。
この結果は致し方ない。
井岡、マルティネスを仕留めるチャンスは確かにあった。
しかし全体的にはマルティネスの攻勢が優勢だった。
だが、この試合は勝敗を超えて訴えてくる何かが間違いなく存在した。
先日の井上尚弥VSラモン・カルデナス戦に続いて、年間最優秀試合候補だ。
井岡一翔という男はいまだにアンチが多い。
しかし、ボクシングの面白さを、井上とは全く別の面で教えてくれるボクサー。
それが井岡一翔なのだと改めて思った。
試合後、現役引退を否定した井岡。
そりゃあそうだろう。
それが格闘家の本能だ。
井岡のボクシングをまだまだ見たいと心から思った。
WBA世界Sフライ級王者 フェルナンド・マルティネス 17戦17勝(9KO)
4階級世界制覇 井岡一翔 36戦31勝(16KO)4敗1分