堂々たる横綱昇進だ。
デビューから所要13場所での横綱昇進は空前のスピード出世。
幕内に限れば9場所で優勝4回は凄まじいものがある。
令和の大横綱誕生の瞬間と言っても過言ではない。
プレビューで書いたが、大の里は序盤の5日間で星を落とす事が比較的多い。
これが綱取りの今場所出れば致命的だったが、その心配は杞憂に終わった。
今までのどの場所より安定していた。
もちろん綱取りのプレッシャーはあったに違いないが、それを感じさせない盤石の相撲内容は、只物ではないことを示した。
9日目を終わった段階の投稿で、全勝優勝も十分あり得ると書いたが、それは先輩横綱豊昇龍の意地に阻まれたが、それは今後の楽しみに取っておこう。
大の里の全勝を阻んだ豊昇龍。
豊昇龍もまた序盤に星を落とすことが多い力士だ。
今場所もまた5日目までに2敗。
心配されたが、立て直して大の里に勝っての12勝は何とか横綱の責任を果した。
思い出したのは、北の湖が大関から横綱になろうとした頃、壁として立ちはだかった横綱輪島だ。
綱取りの場所、北の湖が星の差ひとつリードして迎えた千秋楽。
追う輪島が本割、決定戦と、全く同じ黄金の左下手投げで北の湖を土俵下に投げ飛ばして横綱の意地を見せた。
その後もしばらく北の湖は輪島に勝てなかったが、その後立場は逆転し北の湖は歴史に残る大横綱になる。
輪島と北の湖は年齢差5歳あったが、豊昇龍と大の里は学年でひとつしか変わらない。
実況でも語られていたが、これから多くの名勝負を生み出してくれるであろう。
その序章が今回の対戦だったという訳だ。
このように、今場所は大の里の綱取りに尽きる訳だが、その他の力士について述べる。
プレビューで記したニューウェイブの3力士。
尊富士、伯桜鵬、安青錦。
まず尊富士だが、4日目からまさかの6連敗。
休場以外では、初の負け越しになってしまった。
相撲内容は決して悪くなかったが、少し身体が軽かった印象。
はたきで前に倒れたり、逆転の投げを喫したりする取組が目立った。
まだ負傷した影響が残っているやもしれず、これは場所を重ねるごとに解消される。
まだまだ期待したい。
伯桜鵬も10日目以降6連敗。
上位の壁は厚かった。
それでも立合い正攻法で思いっきりぶつかるなど、けれんみのない相撲は今後に期待。
しかし千秋楽はどうしたことか。
明らかにどこかを痛めているような内容で心配だ。
最後に安青錦。
この力士は凄い。
先場所初めて知ったので、もぐりと言われても仕方がないが、こんなに将来性ある力士とは思わなかった。
怪我さえなければ大関までは問題なく昇進するだろう。
願わくばあと10キロ程度増量して欲しい。
3力士とも上位陣の壁は厚かったが、決して逃げたりせず真正面からぶつかっていく正攻法の内容。
怪我をしないよう注意して精進すれば、上位で安定した相撲を取れるのは間違いない。
後は、大栄翔が二桁に乗せて7場所連続勝越し。
勝った相撲は大栄翔らしい、突き押しで相手を圧倒。
この安定感は、既に実力は大関というのに異論はないだろう。
今場所相撲内容がとても良かった小結若隆景に、勝利への執念が見えた関脇霧島との3力士による大関争いは見物だ。
あれほど強かった綱取り前までの琴櫻。
2場所連続8勝7敗はどうしたことか。
先に記した力士と比べ、勝利への執念が足らない気がする。
身体に故障は無いはずだから、これは心の問題ではないか。
綱取り場所の失敗で自分で自分に落胆している状態のように思う。
ハチナナ大関で甘んじる訳にはいかない。
自信を取り戻して綱取りに挑んでほしい。
最近は横綱が二人以上居ても、ひとりが全休したり、平成29年には4横綱が君臨した場所もあったが、3力士が15日間務めたのが最高で4力士がまともに揃うことはなかった。
今回の大の里と豊昇龍は共に若く、これから長く綱を張って戦うことになる。
やはり大相撲は東西に元気な横綱が居てこそ。
名古屋場所が楽しみでならない。
七月名古屋場所は番付発表6月30日、初日7月13日、千秋楽7月27日。
新装なったIGアリーナのこけら落とし公演となる。