正月恒例の通称箱根駅伝。
これを見ないと新しい年を迎えた気がしない・・・という程ではないが、つい見てしまう。
一度見だすとゴールまで見ずにはおれない。
もしスタートから見たら5時間半はほとんど何も出来ない。
それだけの時間があれば、けっこう多くのことが出来る。
駅伝を見てしまうことにより、他の何かを犠牲にすると考えるかどうかは人による。
私は青山学院が急に強くなってからしばらくは、どちらかというとアンチだった。
それが原監督の陸上界(特に長距離)を変えてやろうという気概と、メディアに露出して駅伝の裾野を広げようとする行動にシンパシーを感じるようになり、今では青学を応援するようになった。
決して巨人大鵬卵焼きではない。
ひと昔前まで駅伝は、必ずしもマラソン強化にはならないという声があった。
しかし、今のマラソントップランナーを見ると、駅伝を走った選手が圧倒的だ。
練習方法も変わってきたんだろう。
今では駅伝はマラソンに直結すると思っている。
さて、そんな箱根駅伝。
青学は過去8度の優勝。
初優勝が91回大会なので、実にここ11回で8回の優勝。
そんな青学だが、大学3大駅伝と呼ばれる出雲と全日本では2019年以降優勝したことがない。
しかし箱根になると強さを見せる。
出雲、全日本と箱根で何が違うかというと、走る距離だ。
箱根は10区間全て20キロ以上。
この距離を安定して走ることが出来る選手層の厚さが違うのだ。
これは日頃の練習量、練習方法の違いがもたらしているに違いない。
そうでないと説明がつかない。
この強さを生み出しているのが、いわゆる原メソッドなんだろう。
そして今年の青学には原監督が箱根駅伝最高の芸術品と呼ぶ黒田朝日が居る。
ところが、今シーズン出雲も全日本も出足で大きく出遅れてしまった。
それを黒田が驚異の走りで順位を上げるパターン。
原監督は、そんな黒田を山登り5区で起用するアッと驚く奇襲に出た。
4区から5区のリレーで2分の差なら逆転できると監督は断言。
知ってか知らずか青学は1区で16位と大きく出遅れ。
その後徐々に順位を上げるが逆にタイム差は広がり、黒田が5区で襷を受けた時、先頭を行く中央大との差は3分24秒。
前を走るのが、平成13年以来の往路優勝を狙う中央大、山のスペシャリスト早大工藤ということもあり、さすがの黒田でもこの差は絶望的で、明日のためにどこまでタイムを詰めるか。
それが焦点だと誰もが考えた。
早大工藤が中央大を抜いてトップに立った時、早大17年ぶり往路優勝は確実と思った。
解説の早大OB渡辺氏、瀬古氏のそう思ったに違いない。
ところが・・・だ。
ブルドーザーのように山を駆け上がる黒田。
ゴールまで2キロあたりで、工藤を捉える。
信じられない状況だ。
工藤は付いていけない。
そのまま黒田ゴールテープを切って、青学往路優勝。
区間記録を2分近く更新する驚異的な新記録で5区を駆け抜けた。
過去何人か表れた山の神。
しかし、これは・・・もう、ラスボス降臨だ。
この記録は絶後ではないか。
それほどの黒田の激走だった。