影無茶のスポーツ24/7

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ハビエル・フェルナンデスは平昌で輝けるのか?

ハビエル・フェルナンデス選手。

世界選手権2度優勝、欧州選手権6連覇。

羽生が居たから僕がいた、僕が居たから羽生がいた。

ブライアンオーサーを師とする稀代のスケーター二人。

状態が万全なら羽生に何かあった時、平昌で代わりに金メダルに最も近い男は宇野でもチェンでもジンでもなくフェルナンデスであろうことは多くの人も納得だと思います。

ところが肝心なオリンピックシーズン、どうもいけません。

オータムクラシックの時点ではまだまだ先は長く、ジャンプの出来が悪くても必ず合わせてくるだろう・・・と見ていました。

GPシリーズ中国杯、まだ調子は上がらずグダグダのジャンプ。

それでも異様に高い演技構成点はフェルナンデスの存在感の高さを表していました。

ファイナル出場は成りませんでしたがフランス杯は優勝。

相変わらずジャンプの失敗は目立つ物の、上昇気配に乗せるかなと思っていました。

迎えた欧州選手権

今や男子シングルの有力選手はアジア、北米に多く、欧州ではロシア若手の台頭はありますが、フェルナンデス1強状態と言って過言ではありません。

あとは平昌本番のみという段階まできました。

さあ、どこまで仕上がっているか!

楽しみにユーチューブを見たのは言うまでもありません。

今シーズン既に何度も聞いたフリー曲。

全てのエレメンツを成功させれば最後万雷の拍手でエンディングを迎える事が出来る曲です。

冒頭の4Tを見事に跳びます。

続く4S+3Tがこれまた素晴らしい出来栄え。

おおっ!さすがフェルナンデス!やっぱりきっちり仕上げてきた~って思いました。

ところが、その思いも束の間、またジャンプで細かいミスが出てしまいました。

やっぱりまだ完全ではなかったんですね。

しっかり優勝して6連覇の偉業は達成しましたが点数はトータル300点に僅かに及ばない295.55点。

一昔前ならかなりのハイアベレージですが、最近のインフレ点数で平昌では300点に乗せても表彰台が約束されるわけではありません。

フェルナンデスからもスカッとした表情は見られませんでした。

彼ほどの選手ですから、最後平昌本番でビシッと仕上げてくる可能性はまだまだありますが、欧州選手権を見た限りフェルナンデスは苦しい状態に追い込まれました。

1シーズンで最高の演技をどこで出せるのか。

当然ながら、それがオリンピックであることはとても大切なことです。

前回ソチでは羽生もチャンもベストな演技ではなくミスの程度の差がメダルの色を分けました。

果たして2月17日、誰がミスなく滑り、誰がどの程度のミスをしてしまうのか。

それでメダルの色が決まります。

欧州選手権のザキトワとメドベージェワを見て直感的な印象

欧州選手権が終わりました。

優勝はアリーナ・ザギトワ、2位にメドベージェワ、3位コストナーという結果。

復帰戦のメドベージェワの2位をどう評価するか、優勝のザキトワの勢いは平昌まで続くのか。

ユーチューブではありますが両者のSP、フリーの演技を見ての(あくまで)個人的な感想を書かせていただきます。

いくら直感での感想と言っても正式なスコアをまずは記しますが、

         ポイント    TES     PCS

ザギトワ    238.24  126.66  111.58   

メドベージェワ 232.86  117.58  115.28

 

わずか5.38ポイント差、技術点では9.08ポイントさをつけられたメドベージェワですが演技構成点では逆に3.70点上回りました。

お世辞にも完ぺきとは言えなかったメドベージェワの演技ですがSP、フリー共にPCSではザギトワを上回ったというのは、依然としてメドベージェワが格的にはトップであることを証明しているようなものですね。

それどころかコストナーもPCSが高く、確かに熟成された演技なのは認めますし、応援もしていますが相変わらずPCSというのは忖度の場と強く思うわけです。

※初めて私の記事をご覧になられた方は、何を言ってるんだこいつは・・・と思われるかもしれませんが、はてなに書かせていただく前のサンスポ「イザ!」とスポーツナビブログでずっと書いてきてましたのでご了承くださいませ。

イザの記事は全て消えていますが、スポナビの記事はインポート出来ましたので、よろしければ過去の記事をご覧ください。 と、誘導してしまう私(汗)

さて映像を見た印象を述べます。

実はザキトワの演技を初めて見たのは今年のロンバルディアなんですが、その見事な演技に椅子から転げ落ちてしまいました。

その時の印象から今回欧州選手権の映像を見ると、これは見る方のバイアスが変わってしまったからかもしれませんが貫禄がつきましたね。

身体も大きく見えます。

相当な自信を持って試合に挑んでいるのでしょう。

と、同時にどこかしらプレッシャーも忍び寄っている。

直感的にそう思いました。

何と言ってもまだ15歳。

平常心でオリンピックを迎えられるとは思えません。

その前の大切な欧州選手権

ロシア代表がこの結果によって最終的に決定される大切な大会です。

そういった緊張もあったのかもしれません。

果たして平昌本番で同じ滑りが出来るのかは、ほんとやってみないとわかりません。

 

メドベージェワ。

2カ月ぶりの実戦。

その影響は少なからずあったようで、いつもに比べ滑らかさがなかったように思います。

SPの2Aでのつまずき、フリーでも冒頭の二つのジャンプは身体が重かったように感じました。

この冒頭のジャンプは気になるところで、ロステレコムでは3F+3Tの連続ジャンプと続く3Lzを完璧に跳んでいましたが、NHK杯では連続にならずルッツも失敗してしまいました。

さらに今回はブランクのせいかもしれませんが連続にならずルッツはエッジ違反の!がついています。

まあ、どちらも連続ジャンプは後半の加点がもらえるところで跳んでいるので影響は少ないですが、個人的には今もシーズン最初のフリーの方が良かったと思っている次第です。

変更当時は何かしっくりこないというコメントだったように思いますが、実際のところは、同じコーチなので何か思惑があったのかもしれませんね。

その場合はザキトワもメドベージェワもジャンプを全て後半に跳ぶ構成となり重複をさけたんでしょうかね。

さて心配していた個人資格でのオリンピック参加ですが、正式にメドベージェワ、ザキトワ、に、ソツコワの3名参加が決まったようですね。

宮原にしても坂本にしてもロシア選手が出ない中では表彰台に上ったとしても自他ともに納得できないところもあるでしょうから、ロシア勢の参加は望むところでしょう。

メドベージェワはブランクがあったにしても欧州選手権という大舞台で滑れたことは大きく、彼女の中にはある程度本番でのイメージが構築されたと思われます。

いよいよ本番が近づいて来ました。

安定の宮原、円熟のコストナー、勢いの坂本、復活の長洲を含めた女子のメダル争い。

私個人的には依然としてメドベージェワが金に最も近いと考えていますが、果たして!

 

 

IBF世界スーパーヘビー級王者尾川堅一、まさかまさかのドーピング陽性反応

詳細は明らかではありませんが、今回日本のボクシング選手で初めてドーピング陽性反応が出たというニュースには少なからず驚きと落胆の気持ちを持ってしまいました。

あのルイス・ネリ選手のドーピング陽性事件が、なんだかうやむやになってしまい、山中選手との試合が成立したような、していない様な到底納得のいく結果にならなかった時に、私は(おそらく多くの人たちは)何故ノーコンテストにして山中選手にチャンピオンベルトを返還しなかったのかと強い憤りを感じたものです。

それから考えて今回の尾川選手の問題についても、たとえ本人が意図的に摂取した事は絶対に無いと言い切っていても、結果としてドーピング反応で陽性が出たので、ミーティングの結果はまだわかりませんが、残念ながらタイトル返上に追い込まれてしまう可能性が高いように思われます。

もしくはネリ、山中と同じように再戦指令に落ち着くのかもしれませんが、ネリ山中の再戦自体に全く納得がいってないので(先に書いたように、あの試合はなかったものとするべきで、本来は山中選手13度目の防衛戦を違う相手により行うべきなんです)今回も再戦となれば複雑な心境と言わざるを得ません。

ネリの裁定がうやむやだったので、尾川選手にも同様の措置をと期待する向きもあるでしょうが、私は返上に追い込まれても仕方が無く本来それが当然の処置だと思ってしまうわけです。

それにしてもなんでこんなことになってしまったのでしょうか。

ドーピングは選手本人が意図的であろうとなかろうと結果がすべてという面があります。

(もちろん意図的な場合はより悪質ですが)これだけアンチドーピングの声が高まっている時代、いくら注意をしてもしすぎる事は無いのです。

帝拳ジムとしたことがいったいどうしたのかと思ってしまいますが、ネリ選手では被害者となった山中選手と同じ帝拳ジムで今度は渦中の人物を出してしまったというのは皮肉以外の何物でもありません。

いずれにしても、今回の件を教訓に更なる教育と管理、並びに選手の意識を高めることしかないですね。

 

羽生結弦を平昌オリンピックでどのようなスタンスで見れば良いか

スケ連の小林強化部長が報道陣に対して、羽生選手が1週間前から練習を再開したことを伝えたとの記事を見ました。

小林部長の話からすると、ちょうど本番1か月前から始動したことになり、1日刻みの、ち密なプログラムが組まれていると推測するところです。

羽生選手の現状について知りたいような知りたくないような何とも複雑な心境でいましたが、そういったファンはきっと多いと思われ、今回の部長の話はそういった声に応えるものと言えます。

例えて言えば、止まった電車内に閉じ込められた人が、原因と復旧見込みのアナウンスを聞いて少し安堵する・・・ような感じでしょうか。

しかしそれでも胸のつかえはそう簡単には取れません。

平昌がぶっつけになってしまうハンデ。

本当に足の具合は大丈夫なのか?

実際の所間に合うのか?

心配は尽きません。

 

悪夢のNHK杯練習での負傷。

あの足の曲がり方は尋常ではありませんでした。

あの瞬間、私(達)は羽生選手がオリンピックに間に合ったとしても過度な期待を持ってはいけないと心にブレーキをかけました。

それまでは、例え宇野が最高の演技を見せてくれたとしても、チェンが4回転ジャンプをくるくる回ったとしても、羽生は総合力で依然として頭一つも二つもリードしていると思っていました。

あの時を境に正直男子フィギュアの時は私の中では止まってしまいました。

クリープを入れない珈琲なんて・・・(古い!)

須藤元気のいないWORLD ORDERなんて・・・(いや、これは案外大丈夫)

羽生善治のいない将棋界なんて(いますいます)

羽生結弦のいないオリンピックなんて、ちょっと想像出来なかったです。

しかしその可能性が、高い数字の%で目の前に叩きつけられたショックはかなり大きかったです。

 

とりあえず練習は再開したと。

それは大きな前進です。

滑らないと始まりません。

あとは本番当日、どこまで足をだましだまし使って滑ることが出来るのか。

オリンピック期間に何本演技が出来る状態まで戻っているのか。

ぶっつけ本番を避けるために団体SPで慣らし運転をさせる意見も出ています。

そうするとSP2本にフリー1本。

果たして持つのでしょうか。

足の状態によっては団体を避けてぶっつけで勝負をかける作戦もあるでしょう。

フィギュアスケートにおける足のけがは致命的です。

私は今回平昌で羽生選手に対しては競技終了後に、出せる物を全て出し切ったと、彼の口から聞ければそれで満足しようと考えています。

順位は後からついてくるもの。

他の選手が羽生より上回る演技を披露して、結果として金メダルを逃すことになったとしても、おそらく清々しい気持ちになれるでしょう。

そういった気持ちにさせてくれることを今は願っています。

 

高梨沙羅はソチの忘れ物を取り戻すことが出来るのか

押しも押されぬ女子スキージャンプ界の女王・・・のはずでした。

大事な大事なオリンピックシーズン。

その立ち位置は不動だとほとんどの人が疑うことはなかったと思います。

昨シーズンまで重ねた勝利数は男女合わせた歴代最多タイの53勝。

最多記録の更新は時間の問題というか、あっさりと思っていました。

しかし何と、今シーズンここまで優勝ゼロ。

ノルウェーのマーレン・ルンビ選手とドイツのカタリーナ・アルトハウスの二人が優勝を分け合っており高梨が出る幕は正直ありませんでした。

高梨はW杯で過去87戦して(個人戦のみ)53勝なので6割を超す勝率は驚異的ですが、昨シーズン2月16日以来9戦勝利がありません。

逆にルンビはここにきて3連勝と絶好調でこの勢いのまま平昌に入っていきそうです。

ジャンプ競技はシーズン内で調子の波が変動することは稀で、オリンピックシーズンに入って調子を一気に上げてきたルンビとアルトハウスは本番でも調子を落とすことはなかなか考えにくく、高梨より金メダルを取る確率は高いと言わざるを得ません。

とは言う物の、オリンピックには魔物が住んでいるのもまた事実。

いつ牙をむいてくるかは誰も予想できません。

前回大会最も金メダル確実と言われた高梨選手はその魔物に飲み込まれ金メダルはおろか表彰台にも上れなかったという悲哀を味わっています。

第9戦札幌大会でアルトハウスが失敗したのも、近づく本番へのプレッシャーが原因としたら・・・。

ソチで高梨を襲った目に見えない力が今回は高梨に微笑む・・・事だってあるかもしれません。

そうです、勝負事と男女の仲は終わって見ないとわかりません。

あと、ご覧になられた方も多いと思いますが、スキー競技の強化本部長皆川賢太郎氏。

そう、あの上村愛子さんのご主人ですね!

氏はサンデーモーニング名物スポーツコーナーにゲストで出て自信ありげに「秘策がある」と、本番では逆転して金メダルを取れる的な話をしていました。

はったりを言うような人柄ではないと思われ、その言葉を信じたい気持ちも湧きあがってきました。

それが早くも現れたのか2位になった試合では前傾を深くして着地ぎりぎりまで飛型を保ち最後テレマークも入れて高得点をたたき出しました。

確かにアルトハウスが失敗したのは事実ですが、高梨自身もブレイクスルー直前という状況だったように思えます。

私は高梨が金メダルを取るならばそれはやっぱりソチでなければならなかったのだ・・・と思っていました。

しかし、皆川氏の言葉、直後の大会の2位、追う物の強み、経験の豊富さ。

これらが全てプラスの要素に働いていくのでは・・・。

この僅か2日間でそういう希望を持てるようになりました。

こうなれば昨シーズンとはいえ平昌のジャンプ台を経験して優勝していることもプラスに考えられます。

どうやらソチの忘れ物を取りに行く準備は着々と進行していたようですね。