本当に楽しそうに体操を演じている。
まるで浅田真央が年少時に見せたように伸び伸びと、プレッシャーとは無縁のように。
白井健三選手が、4回ひねりの「シライ」を武器にそのまま演じ切れば金は絶対という場面でそのまま演じ切って金を獲得した。
素晴らしい。
どんな賛辞もオーバーすぎる事にはならないだろう。
内村が安定感抜群の美しく力強い演技を見せ、アメリカのダルトンがこれを上回る点数を叩きだす。
ここで普通なら緊張する場面だが白井は演技前から、演じるのが楽しくてしかたがないという表情。
何というハートの持ち主だ。
実際演技もはじけるような動き。
最後に「シライ」を見事に決めて、その時点でダルトンも金は諦めただろう。
いや、それどころか、このヤングボーイにはこれから先もかなわないと思ったのではないだろうか。
Dスコアの7.400はもう圧倒的な点数で誰も出せない。
内村が6.400で、白井の次にDスコアの良かった選手でも6.900だ。
白井はEスコアこそ8.600と8選手中5番目だったが異次元の世界を行く「シライ」の力は圧倒的だ。
合計16.000で2位ダルトンに0.400の差をつけて体操日本史上最年少の金メダリストが誕生した。
これだけでは終わらなかった。
何と日本が伝統的に超苦手としているあん馬で亀山が金メダル!
あん馬の鹿島以来のメダル獲得だ。
リザルトを見ると、Dスコアが8選手中3位、Eスコアも3位だが合計で2位に0.200の差をつけて金となっている。
ここに日本体操の真骨頂が見える。
技の難度は決して最高レベルではなくても世界一の美しさで十二分にそれを補いトータルで上位につける。(白井は特別だが)
いよいよ体操ニッポンは黄金時代へ向かって勢いがついてきた。
リオ、東京は盤石だろう。