本来ならWBA、IBF世界スーパーフライ級統一戦となる試合だった亀田大毅とリボリオ・ソリスの戦い。
まさかの減量失敗という事で、ソリスのタイトルはく奪。
大毅勝てば統一王者。
負ければ共に空位という条件付きの戦いになってしまった。
ソリスの責任は極めて重い。
しかし大毅にとってはコンディショニングに失敗したソリスが相手という事で、チャンスは広がったと思っていた。
IBFルールに基づき大毅は試合当日軽量もクリア。
しかしソリスにその義務はなく59Kg程度まで体重を増加させてきたらしい。
中継ではこれだけ体重を上げてきたソリスのパンチは重くなって、大毅は不利だとの発言があった。
しかし元々重い階級で試合をしているのではなく、一時的な体重増加では逆に身体が重くなってスタミナも奪われるように思うんだがどうなんだろう?
試合が始まってしばらくは互いにあまり手を出さない。
最初に手を出してきたのは,試合開始を待つまでもなく元王者になってしまったソリス。
右に左に、上に下に、なかなか切れのあるパンチを打ち分けてくる。
一発で倒すパンチではないが、これだけリズム良く打たれるとダメージが徐々に蓄積される感じだ。
ソリスってこんなに怖い相手だったんだと改めて思い知る。
これに対して大毅はあまりに手数が少ない。
何故手を出さない。
常にソリスが先にパンチを繰り出してくる印象だ。
ゲレーロ戦では、前半大毅が相手にパンチを当てて、下がるという作戦がはまったが、今日は明らかに大毅パンチをもらっているが返せていない。
後半に入り、大毅の重いパンチがようやく繰り出され、ソリスを捉えるが、ソリスも打ち返す。
しかし一発のパンチの威力は大毅が優っている。
もう少し早くこの攻撃が見られていたらと思う。
結局試合は判定に持ち込まれる。
判定勝率は極めて高い亀田兄弟だが、結果はスプリットデシジョンながらソリスが2-1で勝利。
ソリスはリング上で喜びを爆発させる。
亀田陣営は一様に表情が固まり、その場から微動だにしない。
初めて見る光景だ。
テレビ中継は大毅の、思考が停止したような横顔のアップで終了した。
ソリスが意地を見せた格好になった訳だが、統一戦を台無しにした罪は消えない。
結果、WBAもIBFも王座は空位となってしまった。
大毅には申し訳ないが、やはり世界チャンピオンのベルトを身につけるのは荷が重かったと言わざるを得ない。
そんな戦いぶりだった。
大毅は若いが、減量などで相当身体を痛めつけている。
もちろん再起を目指す道もあるが、これ以上無理をしないという選択も有りだと思う。
これからの人生の方が長いのだから。