GPシリーズNHK杯。衝撃的な演技で世界最高得点をたたき出した羽生選手。パーソナルベスト200点超えでGPシリーズ初優勝を果たしファイナル進出を決めた宮原選手。只者ではないことを証明したボーヤン・ジン選手。今回は失敗してしまって明らかに意気消沈してしまった浅田選手。様々なドラマが生まれたNHK杯の感想を記させていただきます。
まずは何と言っても羽生選手です。
あれほど何度やっても上手くいかなかったSP。
ここでくるかああ~~っと壁を突き破ったかと思ったら。
フリーではアナウンサーが言ってた通りの次元の違う演技。
途中から鳥肌たちっぱなし状態で見ていました。
採点面で多少はホームの恩恵があったかもしれませんが、それは微々たる物でしょう。
それにしても322.40という点数は一気に突き抜けすぎました。
今後の世界最高得点更新という観点で見ると、棒高跳びのブブカが1CM単位で塗り替えていくような事が出来ない(笑)
もう走り幅跳びパウエル選手の8m95級の得点が(あえていうなら)出てしまった感じです。
確実に言えるのことは、昨年カップオブチャイナの悪夢は忘却の彼方へ消し去ることができたということでしょう。
絶対王者復活!です。
ただ1点、気を付けていただきたいのは故障・・・です。
これだけ難度の高いプログラムをシーズン中何度も演じるとなれば、リスクも高くなります。
過去多くの名選手が怪我で苦しんできたのはご存知の通り。
試合数、身体のケア、とにかく羽生選手の演技が少しでも長く見られるように協会サポートも含めお願いしたいです。
今回羽生選手覚醒の要因のひとつにボーヤン・ジン選手の存在があるのは間違いありません。
ある意味ジン選手から受けた衝撃の方が羽生選手の最高得点より予想以上でした。
ただジャンプを跳ぶだけでなく、この選手は雰囲気を持っています。
今はまだ格付け的に演技構成点が抑えられていますが、順調に育てばかなり点数の伸びしろがありそうです。
世代的に宇野選手あたりとは常にメダルを争うライバルになるのでしょうが、羽生選手でも大きな試合でピーキングを間違えればジン選手が上に行く可能性がない訳ではないって感じにはなりそうです。
もちろんジン選手にも体形変化の壁、故障の危機はある訳ですが・・・。
無良選手もここで意地をみせてくれましたね。
世界選手権代表の2番目の座は混沌としています。
宇野、村上両選手が一歩前を行ってるのは間違いありませんが、全日本で最高の演技を見せる。
それにより代表争いに加わる事も考えられますし、何より自身の達成感につながると思います。
頑張れ!
女子は宮原選手が素晴らしかったですね。
彼女を見ていると練習は嘘をつかないという言葉が思い出されます。
確実に昨年より表現力はアップしてますし、今後年齢を重ねると表情もより自然な物になるでしょう。
何よりジャンプの安定感は大きな武器です。
得点源のジャンプが安定してこそ、他の要素も生きてきます。
宮原選手が確実に進歩しているのを見ると嬉しくなってきますね。
浅田選手ですが、試合後のインタビューなどでの落ち込み方が気になります。
今までは失敗した時は完璧に泣いてしまうか、もうちょっと自分への悔しさが言葉のトーンに出ていたのですが、昨日は違った。
本当に意気消沈している感じでした。
羽生選手がインタビューで、「これはオリンピックでもないし、世界フィギュアでもないし、引退試合でもないですが・・・」的な話をしていたと思いますが、その言葉をそのまま浅田選手に捧げたいと思います。
全ての試合で満足いく演技が出来る訳ではありません。
誤解をして欲しくはありませんが、たかがNHK杯です。
浅田選手もピョンチャンが頭の中にないと言えばうそになると話していました。
本番はまだ先です。
その為に、今回の試合も大切なステップと見るのは当然だと思いますが、あまり気にしない方が良いです。
最近の浅田選手の公式インタビューを見たり聞いたりして、気になっていた事があります。
もうちょっと肩の荷を下ろした方がいいと思ってました。
恩返し、最高難度に挑戦・・・。
楽しむという言葉は戦いの場であることは間違いないので誤解をされやすい言葉ですが、あまり自分にプレッシャーをかけすぎないようにして欲しいです。
1年間休養したんだし、これからの競技スケート人生はおまけ・・・くらいの気持ちで滑ったら良いと思いますよ。
それでも浅田選手は他の誰にもない唯一無二の存在です。
昨日の失敗、私は全然心配していません。
早いですね。
この前シーズン始まったと思ったらもうファイナル。
今回泣いた選手もいくらでも次があります。