一昨日に続いてW世界戦。
ここ最近、過去に例を見ない程日本人世界王者が多い為、世界戦が目白押しの状況だ。
ボクシングファンにとってはたまらない。
まずは宮崎、ミニマム級で戦うために10キロ以上の過酷な減量を強いられる。
はっきりいって限界を超えている。
普通ならまともな試合など出来ないだろう。
しかし今日の試合を見る限り、よくここまで動けるなと感心させられた。
相手のベラルデ選手はパンチはあったが見ていてあまり怖さは感じられない。
互いに接近して細かいパンチを当て合う感じの展開。
時折ベラルデの重いパンチが宮崎に当たり一瞬たじろぐシーンもあったが宮崎は勝てると自信をもちながら戦っていたように思う。
迎えた5R、またも接近戦の中から宮崎の左が見事に相手のアゴを捉えベラルデダウン。
そのまま立てず宮崎ノックアウトで防衛となった。
初防衛戦の相手としてはうまくかみ合う感じでマッチメイクが上手かったと思う。
ただしもうこの階級を維持するのは無理と思われ、次戦はライトフライに上げてくると思われる。
宮崎の戦績は今日の勝利で19勝(11KO)3分と無敗を堅持した。
対するベラルデは23勝(13KO)3敗1分けとなった。
そして迎えた井岡対ウィサヌ・ゴーキャットジム。
ライトフライと本来の階級になって益々盤石となった感じの井岡の初防衛戦。
第1Rウィサヌの左がぐ~んと伸びてくる。
先日の内山の相手ハイデル・パーラと同様上体が柔らかいタイプで井岡パンチを受ける場面もあった。
しかし2R、3Rと進むにつれ、井岡は早くも相手との距離を掴みパンチをもらわなくなった。
逆に井岡のパンチは的確にウィサヌにヒットする。
ジャブ、ワンツー、上下の打ち分け・・・。
ここらあたりの井岡の戦いを見ているとほんとにボクシングセンスの良さを感じる。
一発で倒すパンチではないが、相手にダメージを蓄積させ、チャンスと見るや一気に倒しにいくボクシングは安定感抜群だ。
ウィサヌは当初負けずにパンチを打ってきて、一発逆転の可能性を僅かながら感じさせたが、試合が進むに連れ、防御にも長け、多彩なパンチを放つ井岡にほとんど手がでなくなってしまった。
もうこうなるといつ倒すかだけに焦点が絞られた感じであったが、9R井岡が明らかに倒しにかかった。
ジャブ、アッパー、フック、スピード豊かな井岡のパンチがヒット。
パンチを打たれ続けスタミナを消耗していたウィサヌ。
最後右ボディーを打たれ、もうたまらんといった感じでダウン。
ストマックに入ったと思われ、とても立てる状況ではなかった。
井岡見事なノックアウト勝利。
井岡は内山、山中らに優るとも劣らない名王者だ。
しかしローマン・ゴンザレスとの対戦を逃げたとされ評判が一気に落ちてしまった。
確かにロマゴンとの試合は実現して欲しかったし、その試合が回避されたいきさつもイメージとして良くなかったのは事実だ。
いろいろと大人の事情があったんだろうが、この汚名を返上する為には強い相手に強い勝ち方をし続けるしかない。
井岡にはその才能がある。
最終的にはロマゴンと戦って欲しいのだが、もうそのチャンスは来ないのだろうか。
井岡の戦績は今日の勝利で12勝(8KO)無敗
対するウィサヌ43勝(13KO)9敗2分け