世界スーパーフェザー級王者“ボンバーレフト”三浦隆司の初防衛戦の相手が同級1位セルヒオ・トンプソンで、しかも敵地メキシコで行われると聞いた時、正直びっくりした。
どういういきさつがあったのかはよく知らないが、奪うよりも守る方が難しい女心・・・ではなく世界タイトルを、よりによって最強挑戦者を相手にして、しかもアウェイとは冒険というよりやや無謀である。
いや、決して三浦選手を弱いと言ってるのではない。
逆に今の日本が誇る世界王者陣の中でも上位の強さだと思っている。
WBA王者の内山に挑戦した試合は記憶に新しいが、内山が防衛線で一番苦戦したのは三浦戦だ。
何しろあの内山からダウンを奪っているのだ。
あのラウンドの内山のダメージは相当な物で、見ていて内山危うしとマジ思った物だ。
その後内山の左ジャブを浴び続け、三浦は目が腫れあがってしまいTKOで敗れる事になってしまったが、その強さは本物であった事がほどなく証明される。
二度目の世界挑戦でボンバーレフトの異名を持つパンチ力を活かし見事KOでベルトを奪取したのだ。
西岡選手のモンスターレフトやガッツ石松選手の幻の右、古くは藤猛選手のハンマーパンチなどパンチ力に異名がつくほどの選手は間違いなく一発で相手を倒せる武器を持っている。
相手のセルヒオ・トンプソンだがあの、ホルヘリナレスを2Rで倒すなどこれまた強打、強打の選手で現在10連続KO勝利継続中である。
映像や写真を見ても雰囲気があって迫力もある嘘偽りのない強豪だ。
ただ2敗しているのも事実であり、三浦選手のパンチが当たれば撃沈する可能性も充分あるだろう。
いずれにせよ、ド迫力な打ちあい必至で一瞬たりとも目を離せないスリリングな試合になるだろう。
おそらく下馬評ではセルヒオ・トンプソンが優勢だろうし、トンプソン自身も多少三浦を甘くみているかもしれない。
完全アウェイの中防衛は至難の業だが何とか三浦選手に会場が静まり返るようなパンチを見舞ってKO防衛を果たして欲しい。
戦績:三浦隆司29戦25勝(19KO)2敗2分、セルヒオ・トンプソン29戦27勝(25KO)2敗。