年6場所は「ついこの前まで相撲していたのに、もう始まるんやね」って印象強いです。
アッという間に夏場所が迫ってきました。
春場所、劇的な優勝で人々を大きな感動の渦に巻き込んだ横綱稀勢の里。
その代償はやはり大きなものだったようです。
左大胸筋損傷、左上腕ニ頭筋損傷。
時の首相小泉純一郎が感動した!と叫んだ貴乃花関は膝だったので、それに比べれば・・・という声も聞きますが、左からの攻めを得意とする稀勢の里にとっては翼を取られたに等しい・・・ように思います。
場所後は出ると語っていた春巡業を全休。
夏場所番付発表で東正横綱に座った時の会見も元気が無く、稀勢の里関はやっぱり正直な嘘を付けない青年なのだと思いました。
夏場所も出られる状態ではないのでしょう。
しかしそれを明言しない。
時代が変わっても角界は科学的なことより精神論の教えが占める割合の方が大きいからでしょう。
教えというよりも雰囲気という方が適切かもしれませんね。
その是非については否定も肯定もしません。
現に当事者達が少々の怪我であれば稽古しながら、土俵に上がり続けることを是としている場合が多いからです。
しかしいくら鍛えていると言ってもあれだけ大きい身体ですから無理がたたり、結局状況は益々悪化することになってしまいます。
それなら否ではないかということなのでしょうが、力士たちはそうなってもやむを得ないと思っているようにさえ見えてしまいます。
休んで治すのではなく、土俵に上がり続けて治す。
無理して悪くなっても仕方がない。
もちろん番付により、その思いも違ってくるのでしょうが、覚悟を持って土俵に上がる力士を見ると、とても責める気にはなれません。
それでも出来る事なら、稀勢の里については、親方を含む周囲の人達が夏場所を休ませて名古屋で、いや秋場所でもいいです。
そこで再起を図るように進言し、稀勢の里もこれを受け入れる。
そうあって欲しいと願っています。
大関は2場所連続負け越しで陥落しますが、ご存知の通り横綱の陥落はありません。
駄目な時は引退しかない訳です。
逆に言えば陥落規定が無いのは、横綱は万全な態勢で努めを果たすべきと解釈すべきではないでしょうか。
横綱らしさを見せる為に、中途半端な状態で出てはいけない。
今回の場合土俵上での怪我なので休場との選択も許されて良いと考えます。
出場して2日目、3日目あたりで誰が見てもやっぱり無理だったという事にだけはならないで欲しいです。
と書いてきましたが、それらを承知の上で出場に踏み切り、怪我の状態が悪くなり、結果力士生命を縮めたとしても、それが稀勢の里の生きる道ならば誰も文句は言えない。
そうも思っています。
まもなく夏場所が始まります。