大事な大事なプレシーズン世界選手権が終わった。
女子はキム・ヨナが圧倒的とも言える強さで優勝した。
これが2年半も実戦から遠ざかっていた選手なのかと見ていて唖然とさせられた。
安定感は他の追随を許さない領域まで達している。
とにかくミスをしない。
それどころかジャンプは余裕で降りてきて次のスケーティングに華麗につなげていく。
ジャンプのみならず全ての要素で軒並み高い加点ももらっている。
驚くべき強さだった思う。
浅田真央さんもよくぞここまで複調してきたと思う。
一時はオーラさえ見えなくなったと感じた時期もあった。
彼女自身も辛かっただろうが自分を信じてここまで立て直してきたんだろう。
今年調子を戻してきて4大陸でトリプルを組み込み、この世界選手権でも2度ちゃんと回ってきた。
天才浅田が帰ってきたのだ。
トリプルはすでに世界のだれもが認めるように浅田の代名詞だ。
跳べるなら跳びたい・・・。
誰もがそう思っているはずだ。
しかし跳べる保証はなく、スタミナも奪われ後のスケーティングに影響必至なトリプルに挑戦する選手は出てこないのが現実なのだ。
トリプルアクセルの基礎点は8・5。
3回転3回転、たとえばキムがフリーでみせたルッツとトゥーループだと基礎点10・1だ。
コストナーのフリップとトゥーループの組合せでも9・4なのだ。
単体ジャンプではアクセルが圧倒的に高い基礎点だが、比較的難度の低い3回転を組あ合わせば基礎点は高くなるし、加点も付きやすいという現実。
女子の流れはこのコンビネーションを上手く取り入れるという方向にいってるのは間違いない。
それでも浅田はアクセルを跳ぶ事が自身の存在の証なのだ。
ソチでは再びアクセル2回というプログラムにしてくる可能性がある。
もちろんリスクは大きいが、浅田を見ていると何かメダルの色よりもアクセルを跳ぶ事の意義の方が大きいのだと私は思うようになってきた。
もちろんアクセルが綺麗に着地し4大陸SPのように大きな加点をもらえれば、その後の流れも良くなり演技構成点も含めてさらに点数を伸ばしソチで金という可能性は充分にある。
今朝のワイドショ-を見ていると、フリーのプログラム自体の基礎点は浅田が一番高いという事を盛んに紹介している。
しかしその事はあまり意味を持たないと思っている。
今回は不可解と思える採点がなかったので言えるのだが、とにかく大事なのはミスをしない事なのだ。
アンダーを取られたり、エッジを取られたり、コンビネーションの片方が跳べなかったり、転倒したり、ジャンプが回り過ぎたり、そりゃあもう落し穴はいろんなところにあるのだ。
キムはとにかくミスをしない選手だ。
これを上回ろうとすれば絶対にミスは許されない。
オリンピックまで僅か1年だが逆に1年もある。
浅田のステップシークエンスは見て鳥肌がたつ。
間違いなく世界一だ。
前半のアクセルとコンビネーションを成功させ、このステップまでつなげれば会場は最高に盛り上がるだろう。
ソチ用の振付はどのような物になるのか使用する音楽は・・・
来るべきオリンピックシーズンが待ち遠しい。
浅田とキム・ヨナ二人の伝説は新たな章に入る。