3強対決はゴールドシップが2着ダノンバラードに3馬身1/2の差をつけて快勝。
同期のジェンティルドンナ、フェノーメノにも影を踏ませず世代最強の称号を得た。
レース後のウチパクのインタビューは印象的な物だった。
「馬は生き物ですから・・・ロボットではありませんから・・・」。
天皇賞の敗退は悔しかったに違いない。
しかしレースに負けた事より、その後暴落した愛馬に対する世間の評価にウチパクは愕然としたのだろう。
たった一回の(ダービーは別にして)敗戦でそれまでの皐月賞、菊花賞、有馬記念の勝利がまるで相手が弱いが為に成ったが如く言われた事に、声には出さないが憤懣やるかたない気持ちだったに違いない。
それが栗東まで乗り込みゴールドシップにつきっきりで調教をつけた原動力にもなっていたんだろう。
皐月賞も、菊花賞も、有馬記念もゴールドシップが走ると不思議と雨が降ると言われていた。
相手に恵まれているとも言われていた。
天皇賞では圧倒的な1番人気を裏切る5着。
繰り返しになるがウチパクにインタビューであそこまで言わせたのはこういった声に反発したからに他ならないのだ。
レースはシルポートの大逃げという展開となった。
シルポートはいつも果敢に逃げてくれる。
ここ数戦は衰えが見えて寂しいかぎりだったが、今日は彼らしい果敢な逃げを見せた。
やはり逃げ馬がしっかりと逃げる事でレースは締まるし重みも増す。
第一見る方は最高に面白い。
もう終わったと思っていたが、ウチパクではないがシルポートが走る気さえ出せば、GⅢあたりならまだやれるように思う。
レースはご存知のように最後の直線先頭に立って粘り込むダノンバラードを並ぶ間もなく交わしたゴールドシップが鬱憤をはらすべく圧勝した。
しかしジェンティルもフェノーメノも敗因の一つに馬場が渋っていた事を上げている。
確かに馬場はパンパンではなかった。
発表は良だが週の半ばに降った雨の量は半端な物ではなかった。
これだけの強さをみせられたら普通は秋の主役はゴールドシップだ。
しかし、実際の所は秋も最強馬の称号にちょっと待ったをかける関係者は多そうだ。
今回も確かに馬場はゴールドシップに味方した。
ジェンティルドンナ、フェノーメノ、さらにはオルフェーブルが復活なって対戦が実現した場合、またも馬場が本当の良馬場ならまだ勝負付けは済んでいないという判断がなされてしまうだろう。
しかしオルフェーブルは無事なら凱旋門賞を最後に引退。
体調が戻らなければこのまま引退して種牡馬だ。
オルフェとの対戦の可能性は限りなくゼロだ。
フェノーメノとジェンティルはジャパンカップで対戦の可能性がある。
ジェンティルは凱旋門賞挑戦のプランがあるが、まず行かないだろう。
理由は何度も書いているように繁殖牝馬として最高の状態で引退させなければならないからだ。
フェノーメノはまだGⅠ1勝。
勝てるかどうかは別にして貪欲に取りに行くだろう。
ゴールドシップとウチパクの戦いは続く。