キズナがニエル賞を、オルフェーブルがフォワ賞をそれぞれ勝利して悲願の日本馬凱旋門賞制覇がいよいよ現実味を帯びてきた。
十中八九手に入れていた凱旋門賞馬の栄誉がゴール前でスルリと逃げていった昨年のオルフェーブル。
あのレースは今も目に焼き付いている。
直線抜け出して後続を引き離すオルフェーブル。
私はテレビを前に勝利を確信して歓喜の声をあげた。
しかしペリエのソレミアが・・・。
声を失くすとはこの事だ。
池江調教師の言葉、「私の調教技術が世界レベルでなかったと言う事です」
あの無念から1年、池江氏とオルフェーブルは凱旋門賞制覇という目標に執念を燃やし再びロンシャンに乗り込んだのである。
本当ならオルフェーブルは凱旋門賞に負けたとは言え、富も栄誉もすでに得ており引退する予定だったはずだ。
社台としてもステイゴールドの後悔をオルフェを種牡馬にする事で早く忘れたい思いもあったはずだ。
しかし池江氏の執念か、オルフェーブルは再び凱旋門賞を目指す事になった。
以後のローテーションは明らかに異様である。
ジャパンカップでジェンティルドンナに敗れてからは、有馬記念、天皇賞はもちろんの事、宝塚記念も肺出血の為出走しなかった。
何と出走したのは大阪杯だけ。
宝塚では4強対決と騒がれたが初めから無理をする必要はどこにもなかったのだ。
目標はあくまで凱旋門ただ一つ。
今日のフォワ賞も強かった。
直線抜け出して圧勝。
ムチも入れずに最後はウサイン・ボルトばりに流してゴール。
まさにギンギラギンにさりげなく、本番へ余裕を残しての勝利だった。
池江氏、スミヨン、そしてオルフェーブル。
昨年ほんの僅かで栄光に届かなかった3者が今度こその思いで燃えている。
10月6日、歴史は変わる。