インタビューでの葛西の涙が印象的だった。
個人では少しの悔しさを見せながらも喜びの笑顔が見られたインタビューだった。
しかし団体でのメダルは、たとえ色が金色でなくても特別の思いがこみ上げてきたのだ。
解説の原田氏も話していたように、団体はチーム関係者全員で勝ちとったメダルという事だろう。
フラワーセレモニーに臨む日本選手4人と1位ドイツ、2位オーストリアの選手達を比べると、日本選手達の背の低さがわかる。
長野以降、身長によって板の長さ制限が出来たり、様々なルール改正が日本を苦しめてきた。
ゼッケンナンバー8番は12カ国中上から5番目のランクを表わす。
ドイツがランク2位の11番ゼッケン。
オリンピック、世界選手権8連勝中のオーストリアがランク1位の12番ゼッケン。
日本が団体戦で銅メダルに輝いたという事は、16年かかって再び、技術の日本が復活してきた証と言えるだろう。
メダル獲得の最大の要因は清水をトップに持ってきたオーダーの成功だ。
若い清水がプレッシャーをはねのけ、よく期待に応えた。
1回目が第1グループ12カ国中2位、ファイナルも第1グループ8カ国中2位。
見事に先陣を切ってポイントゲッターになってくれた。
清水のジャンプが日本をメダルに導いてくれたのだ。
竹内も伊藤も現在の持てる力を最大限発揮した。
最後に控えるはレジェンド葛西。
今大会の葛西は見ていて失敗をする雰囲気が全く感じられない。
1本目も2本目も134mで共に第4グループ中3位の安定感抜群のジャンプを披露し、ポーランドの追撃を振り切り見事に表彰台に上る事が出来た。
全員の力でメダルを勝ちとったのだ。
今大会の純ジャンプ競技はこれで全て終了した。
高梨選手の無念はあったが、全体的には日の丸飛行隊復活を印象付ける結果となった。
次のピョンチャンを語るのは少々気が早いが大きな希望が見えた事は確かである。
長野までの黄金時代復活を夢見て、今後に期待しよう。