葛西が執念の銀メダル獲得!
オリンピックの大舞台で41歳葛西が、ジャンプという危険と隣り合わせの競技でここまでやれるのは、もう奇跡という言葉も陳腐になるほど超絶的な出来事だ。
ジャンプという競技は実際には飛ぶというより、落ちていく競技だ。
風の影響を受けながら、いかに遠くに美しく落ちていくかを争うと言って良い。
遠くに着地する為に、踏みきりのタイミングや風を味方につける技術など、僅か数秒の為に限りない努力を続けなければならない。
葛西はオリンピック過去6度、Wカップ400戦以上!で培ってきた絶対的な技術がある。
葛西がレジェンドと言われる所以は年齢はもちろんだが、確かな技術を持ち、いまだにトップ選手で有り続ける為の努力を皆が知っているからだろう。
葛西が2本目を飛び終えた時、それまでトップのプレヴツが葛西を指差して、彼を写しなよ、彼がトップだぜという表情を見せた時、ああ、葛西は他国の選手達からも尊敬されているんだなと感じた。
しかし、あれだけ長く名前を聞き続けているヤンネ・アホネンが36歳。
いかに葛西の41歳が長く競技を続けているかがわかる。
長さだけでなく今もトップ選手で有り続けるというのは繰り返しになるが凄い。
ハーフパイプの平野が史上最年少。
葛西が史上最年長。
今回のオリンピックは若者も中年も万々歳だ。
さて1位~3位の選手の成績を以下に記すると。(①1本目②2本目)
①距離 ①飛型 ②距離 ②飛型 加・減点 合計
1位ストッフ 85・2 58・5 73・5 56・0 5・5 278・7
2位葛西 85・2 57・0 75.3 55・5 4・4 277・4
3位プレヴツ 78・0 57・0 70・8 55・5 13・5 274・8
(加・減点は1,2本目の合計)
となる。
ストッフは1本目1位、2本目4位の合計1位。
葛西は1本目2位、2本目3位の合計2位。
プレヴツは1本目4位、2本目1位の合計3位。
だった。
ちなみに2本目2位は合計6位のドイツ、クラウスだった。
ストッフと葛西の差は僅か1・3点しかない。
もう、あとほんの少しで念願の金メダルを手にしていた訳だ。
まあ、一発大ジャンプをした選手に抜かれて銀メダルではなく、1本目トップの選手に逃げ切られた訳なのである意味仕方がないとも言えるだろう。
そこが、応援する方からしたら、残念というより良かったという気持ちが優るのだろう。
もちろん本人は悔しい思いが大きいのは仕方がない。
この思いは、団体戦で晴らして欲しい。