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GPシリーズスケートアメリカ男女シングルの見どころを探ると共に世界フィギュア選考基準にも触れてみる

今週末からGPシリーズが始まります。何かと話題満載ですが、今季の世界選手権の選考基準を見ると必ずしもGPシリーズの比重が高い訳ではありません。いかに疲労を蓄積させずGPシリーズを戦いぬき、全日本へ最初のピークを持って行くかが求められます。今回GPシリーズ第1戦スケートアメリカの見所を探ると共に、選考基準にも触れてみます。

まず今季世界フィギュアの日本選手男女シングル選考基準を記させていただきます。

男子(出場枠2)

1人目は全日本選手権優勝者を選出

2人目は以下のいずれかを満たす者から総合的に判断して選考する

A、全日本選手権2位、3位の選手

B、グランプリファイナル出場者

C、全日本選手権終了時点でのISU世界ランク日本人選手上位3名

D、全日本選手権終了時点でのISUシーズンベストスコア上位3名

女子(出場枠3)

1人目は全日本選手権優勝者を選出

2人目は以下のいずれかを満たす者から総合的に判断する

A、全日本選手権2位、3位の選手

B、グランプリファイナル出場者(全日本優勝者を除く)日本人上位2名

3人目は以下のいずれかを満たす者から総合的に判断する

A、2人目選考基準のA.Bに該当し選考にもれた者と全日本選手権4位~6位の選手

B、全日本選手権終了時点でのISU世界ランク日本人選手上位3名

C、全日本選手権終了時点でのISUシーズンベストスコア上位3名

となっています。

昨年までの基準と比べると最重要は全日本なのは変わりませんが、GPシリーズの比重が軽くなったように思います。

特に男子は3枠奪回が至上命令なので全日本優勝者以外の1名はとにかく選考の幅を大きくして最強の2人を選べるように設定されたと考えられます。

いずれにしてもこれによりGPシリーズを目一杯に仕上げてしまい肝心な時にもうピークを過ぎるということは防げるのではないでしょうか。

実際の選考にあたっては難しい点が出てくるかもしれませんが、選手のコンディショニングのことを考えると私はこれで良いと思います。

ではこれよりスケートカナダ見所です。

主な出場選手

○男子 氏名:世界ランク

無良嵩人:8位

宇野昌磨:11位

デニス・テン:5位

ハン・イエン:13位

コンスタンティンメンショフ:9位

アディアン・ピトキエフ:17位

ジェイソン・ブラウン:6位

○女子 氏名:世界ランク

宮原知子:2位

今井遥:17位

中塩美悠:75位

ユリア・リプニツカヤ:7位

エフゲーニャ・メドベデワ:12位

グレイシー・ゴールド:5位

エリザベート・トゥルシンバエワ:20位

パク・ソヨン:26位

男子では宇野選手が本格的にシニアデビューを果たします。

ジャパンオープンで驚愕演技を見せてくれましたが、スケートアメリカ出場に合わせて早めに仕上げてきた感があります。

顔と名前を売って行く為に初戦からある程度の滑りを見せなければならない。

そんな思いがあるのかもしれません。

ここでもハイレベルな演技を見せてくれると思いますが、長いシーズンを乗り切る事が出来るかが心配ではあります。

無良選手はベテランの域に入ってきましたがここ一番に弱い印象が今だつきまといます。

そういう意味では初戦の緊張はあるかもしれませんが、あくまでGPシリーズのひとつ。力を発揮できる舞台と言えるでしょう。

無良選手が世界フィギュアを狙うには一発勝負の全日本より、確実にGPシリーズの2試合で上位に入りファイナルに残る事。

それが選考の舞台に上がる条件だと思います。

デニス・テンは今季初戦(ですよね・・・)

昨年4カ国対抗での完璧な演技を見ると、羽生、フェルナンデス、チャンと並ぶ現在の4天王という存在は揺るぎありません。

まずはどんな演技を見せてくるのか、どの程度まで仕上げてくるのか、注目です。

羽生選手と激突し、その後の大会では十八番のトリプルアクセルは跳べてもそれ以外は大きく崩れてしまったハン・イエン。

彼も今期初戦(ですよね・・・)おそらく昨年の悪夢を振り払う為にも全力で臨んでくるでしょうが・・・果たして。

メンショフは今期フィンランディアトロフィーでSP、フリー共に2位、総合1位でここに来ました。

前哨戦ですので順位は関係ありませんが、冒頭4T3Tの連続と4Sを成功させています。

演技を通して安定した滑りは出来ていなさそうですが・・・。

ピトキエフは宇野と同じ17歳。

オンドレイネペラトロフィーで始動して(4位)GPシリーズに臨みます。

人気のジェイソン・ブラウンは同じくオンドレイネペラトロフィーで優勝しました。

しかし課題の4回転は失敗に終わっています。

現代の男子フィギュアでは3回転だけでは世界フィギュアで上位に食い込むのは難しいので、ここでも当然4回転に挑戦してくるでしょう。

続いて女子ですが、何といっても安定感抜群の上に益々成長が見られる宮原選手が注目です。

浅田選手の復帰ですべて持って行かれた感はありますが、宮原にとっては逆に集中出来る環境になって良かったと思います。

今井選手もスケートアメリカ・オータムクラシックで順調なスタートを切っていますので、思い切った演技がみられそうです。

ロシア勢は注目の二人。

リプニツカヤは果たして今年復活をとげる事が出来るのか。

今季初戦のフィンランディアトロフィーでは、まだオリンピックイヤーの出来には戻っていない感じです。

それより注目は世界ジュニア優勝のメドベデワ。

今季初戦オンドレイネトロフィーではポゴリラヤをトータルで上回り優勝。

宇野選手とのジュニアチャンピオンダブルデビューとなる今回、どんな演技を見せてくれるのでしょう。

注目と言えばジャパンオープンで全くいい所がなかったグレイシー・ゴールド。

この僅かの期間では劇的な変化を望めそうにないほど出来が悪かったですからね。

シーズン後半に上げていけば問題はない訳ですが彼女を見ていると難しい気がします。

いくら疲労骨折をしたとはいえちょっと状態悪すぎますね。

身体よりも心に問題があるように思えますがどうでしょう。

駆け足でGPシリーズ初戦の見所を書き連ねてきましたが、何度も書いてきたように今季最大の目標は世界フィギュア

特に日本男子には来期世界フィギュアの出場枠3の奪還という使命があります。

GPシリーズで身も心も使い切らないように余力を残して戦っていただければと思います。

シーズンは長いですからね。