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映画鑑賞記録 「虹をわたって」 天地真理絶頂期に公開された幻の映画を51年ぶりに鑑賞

仕事以外全部趣味

天地真理

今の若い人は彼女がどれだけ凄い人気を誇っていたか想像がつかないだろう。

一世を風靡したと言っても過言ではない。

映画「虹をわたって」。

「水色の恋」「小さな恋」「ひとりじゃないの」に続く4枚目のシングル「虹をわたって」と同名の天地真理主演映画だ。

当時中坊だった私は同級生等と公開初日に見に行った。

同級のひとりは熱烈なファンで、天地真理の人気がなくなってファンクラブの最後のひとりになったら嬉しいと今ならストーカーでつかまりそうなことを平気で語っていた。

もちろん私も大ファンだった。

当時小柳ルミ子南沙織とで3人娘を形成していたが天地真理の人気が抜けていた。

そんな天地真理の絶頂期に作られた映画だが「虹をわたって」は何故かその後全く観る機会が無かった。

全くビデオソフト化されないのだ。

見たくても見られない。

天地真理自身も様々なゴシップにまみれ、急速に人気は衰え表舞台から姿を消した。

そんな「虹をわたって」が何と今年になってソフト化され、U-NEXTで無料で見ることが出来ると先日知ったのだ。

もう一生見られないと思っていた「虹をわたって」。

私はU-NEXTの会員だ。

早速当時のことを懐かしみながら鑑賞した。

 

大まかな内容は、家出して水上生活者が住む船に転がり込んだ天地真理が船の住人達と巻き起こす騒動と感動?の物語だ。

天地真理のような超アイドル主演でよくこのような映画が撮れたと驚く。

住人達と一緒に競艇に行ったエピソード、義母役の日色ともゑ天地真理をおんぶして歩くシーン、沢田研二が漕艇するヨットに乗り込んで嵐に遭遇するシーンなど断片的には覚えているが50年の月日はあまりに長くほとんどの記憶が抜け落ちていた。

しかし久しぶりに見てよみがえってくる場面も多かった。

これがまた、実に昭和、昭和、昭和の映画なのだ。

この映画は松竹配球だが、明るく楽しい東宝が作ったら全然違う映画になっただろう。

でも虹をわたっては松竹で良かった。

笑いあり涙ありで、観る者の感情に訴えてくる内容は松竹の十八番だ。

今観ると昭和という時代の一片が映し出されており懐かしい気持ちにもなった。

劇中、天地真理のヒット曲が披露されるが「ひとりじゃないの」の時の映像が秀逸で、何故か観ていて泣きそうになった。

私も年を取ったということか。

ぶっとんだ所もあるが本としてはとても良く出来ていると思う。

単なるアイドルお飾り映画ではなく人間ドラマとして十二分に楽しめる映画だ。

沢田研二以外にも僅かな出演だがショーケンが出ておりカッコいい役できらりと光る。

船に住む住人たちには芸達者を揃えこの映画を支えていた。

古き良き時代に撮られた奇跡の映画だと私は思う。