仕事以外全部趣味
広岡達郎氏。
ご存知のように、選手としても監督としても、優れた実績を残してきた達人だ。
そんな広岡氏だが、御年93歳の今もプロ野球界に対し卓識ある意見を語り続ける。
「阿部巨人は本当に強いのか」も巨人の現状を憂いながら、同時にプロ野球界全体への懸念を述べた本だ。
現役時代を巨人一筋で通した氏は、特に巨人に対して厳しい意見を述べることが多い。
今回もタイトルの、阿部巨人1年目のみでなく、原巨人の検証も書かれている。
もう聞きなれたかもしれないが、原氏にとっては頭の痛い厳しい話ばかりだ。
言われた方はたまらないが、それも愛情の裏返しなのだろう。
本は、大谷翔平への思いや、ポスティング制度、選手に対する長期契約の批判から、佐々木朗希への警告にも及ぶ。
世間では氏のことを毒舌家と呼ぶ向きもあるが、それらは全て日本プロ野球界を思ってのことだと認識すべきだろう。
ひとつだけ、氏は文中、私が言った通りに・・・との文言を多用するが(大前研一氏にも言える)それは氏のことを知っている人なら、わかっているので書かない方が良いと思うのだが(^^;)
この本、副題に日本球界への遺言とあるが、まだまだこれからも言葉を紡ぎだしていって欲しいと願うばかりだ。