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読書感想文 文藝春秋社「巨人軍VS.落合博満」 さすがの中溝康隆氏 

仕事以外全部趣味

巨人軍vs.落合博満 (文春e-book)

今回は読書感想文。

結構読書は好きで、紙の本はよく読んでいる方だと思う。

ここでは本の感想はほとんど書いたことがないが、今回は巨人つながりで、中溝康隆氏著「巨人軍VS.落合博満」について書かせていただこうと思う。

まず中溝氏だが、ご存知の方も多いと思う(特にブロガーには)。

スポーツナビブログ「プロ野球死亡遊戯」はあまりにも有名で、巨人ファンここに極めりという圧倒的な文章力に惹きつけられた人は多いだろう。

厳密に言えば当時プロの書き手ではなかったと思うが、読ませる力は群を抜いていた。

当然の流れで中溝氏は、プロのライターとしてデビューし現在に至る。

スポーツナビには多くの投稿者が居たが、この中溝氏と「幕下相撲の知られざる世界」の西尾克洋氏、「two-set-down」で錦織圭を追い続けていた今田望未氏が、後にライターとしてスポナビから飛び立っている。

私もスポーツナビブログがなくなるまで投稿を続けていたが、全ての記事がはてなぶろぐでインポート可能だったことで、今も読み返すことが出来るのは本当にありがたい。

 

さて、本題に戻るが、「巨人軍VS.落合博満」は、私たち(私?)がおぼろげながらも知っていた、落合巨人軍在籍の3年間の数々の問題を、多くの文献を引用しながら時系列に明らかにしてくれる。

オレ流と言われる落合氏の巨人在籍3年間。

多くのOBや外部から非難を受けながらも、オレ流を捨て、長嶋監督のために、チームのために試合に出続ける落合。

長嶋茂雄原辰徳、松井、清原との関係。

この本は、落合氏の別の一面をつまびらかにしてくれる。

中溝氏はいつも圧倒的な文章力で巨人軍、巨人の選手について情熱的に語るが、今回は随所に文献の引用を用いながら、著者の感情を出来る限り排除して事実を並べる。

いつもの中溝氏とは少しスタイルが異なるのかもしれないが、読む人がどのような感想を持つのか、それは読者に委ねている部分が多いのではないだろうか。

落合氏について書かれた本では、鈴木忠平氏の「嫌われた監督」が有名だが、それと双璧ではないかと私は個人的に思っている。