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映画鑑賞記録「正欲」 稲ガッキーVS新ガッキー     マジョリティとマイノリティはもしかしたら紙一重

仕事以外全部趣味

朝井リョウ原作「正欲」の映画化。

原作既読。

ここ数年本をよく読むようになったので原作既読状態で映画を観ることが多い。

観てから読むか、読んでから観るか。

今回は読んでから観たということになる。

ある意味壮大なネタバレだ。

先日投稿した「ドミノ」でネタバレについて私見を書いたが、既読のネタバレと映画を観た人からのネタバレとは意味合いが異なる。

既読者は、(当然かもしれないが)未読で知識を持たずに観る人に比べて始めから映画に入り込むことが出来るだろう。

マイノリティの中でもさらに深い、当人にとっては闇と感ずる性的マイノリティを持っている4人の物語。

それを新垣結衣磯村勇斗佐藤寛太、東野絢香が演じる。

それに対しマジョリティ側として配置されているのが稲垣吾郎演ずる検事。

全てを普遍的な枠にはめて、そこから外れることを受け入れず「キモイ」のひとことで済ます人物だが、この作品ではとても大切な位置づけになっている。

マイノリティ4人の誰にも理解されない(本人はされたいとも思っていない)生き方。

この4人達とあたり前の世界で生きている人間との関りをこの映画は残酷に描く。

見ていて苦しくなる。

稲垣含む5人は当初それぞれ個別に描かれるが、後半クロスしていくことになる。

5人は全て好演。

特に稲垣吾郎新垣結衣の二人。

新垣結衣は言葉では上手く言い表せないが、心に響いてくる演技だった。

稲垣吾郎も年を重ねていい役者になった。

最近の「新しい地図」3人共とてもいいね、ほんとに。

ラスト、ああこれでエンドロールが流れるんだろうなと思ったらドンピシャだった。

印象的なエンディング。

人は誰でもマジョリティの中にマイノリティな部分が潜んでいる。

それが顕在化するかしないかは紙一重なのだ。

今回映画を観終わってひとつ決めたことがある。

小説が映画化される場合は・・・読んでから観て、観終わってから再び読む。

だよね。

 


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