野球は投手を中心とした守りを固める事が勝利への一番の近道だ。
いくら打つ方のタレントが揃っていても、それだけでは長いペナントを戦い抜く事は出来ない。
ジャイアンツには他球団垂涎の的とも言える6人の先発陣が揃っていた。
はずだった。
ここまで単純に勝利数を並べると、
内海13勝、菅野13勝、杉内11勝、ホールトン7勝、宮國6勝、澤村4勝。
盤石と言える物ではない。
個人個人の内容を見ても、皆が本来の調子には程遠い出来で今シーズンを戦っていたと考えられ、よくこれで独走出来たなと思える程だ。
昨日のヤクルト戦の内海の崩れ方もひどかった。
最終的にエースとして帳尻を合わせてきて優勝に貢献しているが、本人はおそらく満足いく投球がほとんど出来なかったシーズンと思っているだろう。
さらに杉内も勝ち星こそ二桁上げているが、これまた本調子には程遠い状態だ。
昨年は9月で離脱してしまったが、内容は素晴らしかった。
杉内はシーズンによって良い年、悪い年がはっきりするが、今年は二桁勝ったのが不思議な位、調子は悪かったと思う。
宮國は実働2年目の壁に跳ね返され、6勝出来たのが不思議な位だし、ホールトンも果たして来年の契約が成されるのか微妙な成績だ。
澤村は不思議の国の4勝10敗・・・。
菅野のみ1年のブランクの影響を最小限に留め、持てる力を出し切った。
その活躍は特筆物で、もし菅野がいなかったら、いや、いても額面通りに活躍出来ていなかったら・・・。
ジャイアンツはどうなっていたのか・・・と考え込んでしまう。
彼は正に先発投手陣の救世主だった。
そう考えると、やはりマシソン、山口、西村の存在はとてつもなく大きかったという事を改めて感じてしまう。
3人とも60試合超の登板数。
防御率も全員が1点台の低い数字。
山口、マシソンはWHIPが1未満。
マシソンのK/9はここまで実に11.79だ。
西村も今年は1年間クローザーを努め球団初の2年連続30セーブ超え。
今年は球団記録に迫ろうかという勢いだ。
この3人は誰がMVPをもらっても文句をつけるヤツはいないだろう。
3人まとめて与えて欲しい位の大活躍だ。
おそらくポストシーズンもペナント同様にこの3人に負担をかける戦いになる。
先発は4人で充分なので、先発から一人中継ぎに回って4-4体制を基本とし、それ以外のワンポイントや敗戦処理も必要だ。
戦い方としてはこの3人にいかにベストの状態で試合を預ける事が出来るかどうか。
原監督は、これを勝利へのストーリーとして頭に思い描いている事だろう。
残り試合、監督は改めて勝利の方程式を検算しベンチの選手達を決めていく事になる。
40年ぶりの日本一を目指して、ゴールはもうすぐそこだ。