羽生結弦選手おめでとう!
バンクーバー以降急成長を遂げた羽生が見事オリンピックという大舞台で金メダルに輝いた。
しかしオリンピックというのは本当に恐ろしい舞台だ。
SPをあれほど完璧に滑り上げた羽生が、明らかにおかしい。
冒頭の4回転サルコーの転倒は想定内だったが、その後もリズムに乗れない。
試合後のインタビューですごく緊張したと言ってたが、重圧につぶされそうになっていたのだ。
トリプルフリップでも転倒扱いになるほどの失敗。
後半の3連続ジャンプもやや流れがおかしかった。
当然のように点数も思ったほど伸びない。
この瞬間ほとんど手中にしていた金メダルがスルっと手の中から逃げていったように誰もが思ったはずだ。
ところが、「ゆずるは経験した事のないプレッシャーを受けるだろう・・・」的な発言をしていたチャンもプレッシャーからか、これまた細かいミスを連発。
最後はダブルアクセルまでもミスをしてしまい、どれだけの点数が出るのか正直全くわからなかった。
解説の本田氏は選手達のプログラムの各要素について的確にジャッジしており、チャンの演技終了後も「これだけ細かいミスが出ては羽生に届かないのでは・・・」と発言されていて、もう固唾をのんでテレビ画面を見ていた。
結果は178.10!この瞬間ほとんど手中にしていた金メダルが今度はチャンの手の中からスルっと逃げて再び羽生の元に戻ってきたのである。
羽生トップに立つ!
モニターを見る羽生の驚きの表情が映し出される。
まだ演技者が二人残っていたので、金メダルという言葉は誰も発しなかったが、もうこの時点で決定したような物だ。
ここに日本男子フィギュア史上初の金メダリストが誕生したのである。
今、プロトコルを見る事が出来たので、少し二人を比較してみる。
すると、お互い満足な出来ではなかったジャンプの得点だが、羽生が69.83点、チャンが65.04点と結果羽生が優っていた。
羽生は冒頭の4回転サルコーは転倒を含めて4点減点、まさかの失敗トリプルフリップが転倒含めて2.90の減点。
しかし、4回転フリップで2.14の加点をもらって12.44点。
そして羽生がチャンに比べて確実に優位に立っているトリプルアクセルからの連続ジャンプ2本がそれぞれ16.29点と11.07点を稼いでいる。
チャンはどうかと見ると、冒頭の4回転3回転、これはさすがに17.40点と荒稼ぎ。
これを実況で見ていた瞬間には、正直やられた・・・と思った。
ところが次の4Tで転倒にこそならなかった物の1.57の減点。
さらにチャン苦手の評判が定着してしまったトリプルアクセルで2.57の減点。
雲行きが怪しくなる。
中盤は持ち直したかに見えたが、3Aからの連続ジャンプを持たないチャンは10点未満の点数を重ねるに留まる。
そして最後の2Aでも、まさかのバランス崩しで1点減点をもらってしまう。
スピン、ステップでは両者とも思うようにレベルが取れず、結果演技構成点を含めたフリーの得点でもチャンは羽生を上回る事が出来なかったという訳だ。
勝負は下駄を履くまでわからないというが、今日も正にそのことわざを思い出させる展開だった。
皇帝プルシェンコの後継はプルシェンコ自身が語ったように、19歳の若武者羽生結弦選手に引き継がれてソチの男子フィギュアは終わったのである。
羽生選手本当におめでとう!
※記事中 4回転フリップで2.14の加点を・・・の部分
正しくは4回転トゥーループです。
訂正してお詫び申し上げます。