影無茶のスポーツ24/7

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辻内は新浦か松本(東洋大姫路→阪急)か

辻内崇伸、8年目、1軍公式戦成績なし。

誰がここまでの経過を予想していただろうか。

甲子園で見せた重くて速い速球。

桐光学園の松井が昨年大きな注目を浴びたが、

辻内は全くタイプが違ってストレートで勝負する本格派であった。

今回この文を書くにあたって、辻内の事を少し復習してみた。

そうだった、そうだった。

オリックスジャイアンツとの競合で一度はオリックスが間違って指名権確定となったあのドラフト。

12球団OKと言っていた辻内はオリックス指名確定の記者会見で

硬い表情を見せて「オリックスは素晴らしい球団・・・」。

前代未聞、本当は巨人が指名権確定だったと訂正されてのやり直し会見で、

心の底から嬉しそうに、Vサインをしながら「小さい時から巨人ファン・・・」。

好漢辻内の巨人が決定した瞬間だった。

あれから7年が過ぎ、故障の連続でここまで全く実績を残していない。

思い出すのは同じサウスポー新浦寿夫。

ノミの心臓と言われ、数年間は期待通りの活躍が出来なかった。

そんな新浦を覚醒させたのは長島監督だ。

打たれても打たれても使い続け、エースと言われるまで成長させた。

あのノミの心臓新浦がどうだと言わんばかりに胸を張る。

当時テレビの解説者が「背中につっかえ棒がいりますね(笑)」と言ったのを思い出す。

それほどまでに自信に満ちた態度をとれるようにまで成長した新浦。

もう一人阪急ブレーブスに入団した同じくサウスポー松本。

夏の甲子園、東邦の1年生エースバンビ坂本に投げ勝って優勝した東洋大姫路のエース。

左腕から繰り出す球はやたら速かった。

当時のドラフトは指名する順番をくじびきで決めた。

1位クラウン:江川(九州は遠い)

2位巨人:山倉(江川取れなかったが名捕手山倉獲得)

そして3位が阪急で松本指名だった。

確か父親が大の阪急ファンで当の本人以上にお父さんが喜んでいたような記憶がある。

しかし残念ながらプロでは大成せず現6年で現役を引退した。

松坂や田中マー君は別にして遠い昔ならいざ知らず、

近代では高校卒業していきなり活躍するのは至難の業だ。

にしても、持てる素質を発揮しだす、あるいはその予感を感じさせてくれるのは

早くて2年目、遅くても4年目あたりであろう。

辻内についてはもう7年もその芽を見せてくれていない。

それでも何故かG党の私は期待してしまうのだ。

去年1軍に上がってきたニュースを見た時、ついにベールを脱ぐ時が来たか!と大いに注目した物だ。

しかしご存知のようにたった1週間で登板する事なく2軍に戻ってしまった。

それでも契約を更新したという事は球団としてもまだまだ期待する所があるのは確かだろう。

昨年は初めて1年間故障せずにシーズンを過ごせたと聞く。

もう後は無い。

今年だめならおそらく、来年の契約はないだろう。

背番号はとてつもなく重くなったけど、自身で軽い番号を奪い取ればいい。

新浦になるか松本になるか、辻内崇伸25歳勝負の年だ。