GPファイナル男女シングルの結果が出た。
男子はイリア・マリニン選手が異次元のプログラムで優勝。
宇野昌磨選手が2位、鍵山優真選手が3位という結果。
女子は坂本花織選手がGPファイナル初制覇。
2位にルナ・ヘンドリックス選手。
3位が吉田陽菜選手でフリーでは坂本選手に次いで2位。
技術点だけ見ると6選手でトップの大健闘だった。
今年のGPファイナルは見ごたえがあった。
オリンピック翌年シーズンということもあってか各選手攻めに攻めた印象。
現時点での失敗は明日への糧となることがわかっているのだ。
それにしても驚愕はイリア・マリニン。
羽生結弦氏があれだけ挑戦しても競技生活ではクリアに跳ぶことが出来なかったクワドアクセルをSPでいとも簡単に跳んで見せた。
フリーでも果敢に挑み転倒したがジャンプは認定。
大きな減点はついたがその後のジャンプが凄かった。
ルッツ、ループ、サルコウと4回転全てが大きな加点をもらえるジャンプ。
後半のコンビもすべて成功。
技術点だけで120点超えってどうよ・・・。
ほんとは最終滑走のマリニンにプレッシャーを与えるべく鍵山選手も宇野選手も完璧に演技を終えたかったが二人ともまさかのミスが出たりしてSP合計300点に届かない点数で余裕を与えてしまった。
マリニンは安全運転せず果敢に4Aに挑むことが出来た。
たとえ失敗しても十分挽回できる自信があったに違いない。
もし今季がオリンピックシーズンなら他の選手は絶望しかない。
それほどに圧倒的な強さを見せたマリニンだった。
かつて3Aを代名詞とした浅田真央さんは3Aを失敗した時の挽回が難しかった。
しかし今回のマリニンは4Aを失敗しても十分カバー出来る強さを見せつけた。
まだ19歳。
次回オリンピック時には21歳。
マリニン時代到来の様相だがオリンピックは何が起こるかわからない。
宇野選手もジャンプを完璧に跳べれば羽生結弦氏とはまた違う唯一無二の雰囲気を持っており、事実演技構成点はマリニン選手を上回る。
鍵山選手も2年前の世界選手権で見せた非の打ち所のない4回転ジャンプが甦ってくれば伸びしろは宇野選手以上と思われる。
女子については今季絶好調の坂本選手が2位ヘンドリックス選手に20点以上の差をつけて圧勝と言って良いだろう。
今までの元気娘に加えしなやかで美しいプログラムを取入れてさらに成長。
層の厚い日本勢を牽引する存在として名実ともに世界一のスケーターと言える。
今後は全日本と世界選手権が大きな目標となるが現状頭ひとつふたつ抜けている。
世界選手権3連覇の可能性は限りなく高い。
吉田選手はSPで果敢に攻めて3Aに挑んだが、その姿勢がフリーにつながった。
負けん気の強い性格に思われ、これからも立ちはだかる壁を越えて行って欲しい。
アリサ・リュウ引退には驚きを通り越してショックだったが、すぐにイサボーのような選手が出てくるのはさすがアメリカ。
SPでまさかの失敗があったがフリーは立て直してきた。
ミラノでは年齢制限に引っかからないので、伸びしろでは一番に感じる。
ヘンドリックスは見ての通りキュート。
大きなミスをしないし演技構成点も高い。
現時点では坂本選手に迫る一番手だと思う。
まだ今シーズンは序盤を終えた所。
今後各国のナショナル選手権を経て、4大陸、欧州選手権から今季最大目標の世界選手権へとまだ道のりは長い。
ミラノを意識しつつも思いっきりチャレンジ出来る今シーズンは、フィギュアスケートを楽しむには最も適したシーズンなのかもしれない。
最後に町田樹氏が解説を務めていたが、氷上の哲学者と言われた当時を思い出させてくれる独特の言い回しを聞いて懐かしくも嬉しく思った。
フィギュアスケート陣はタレントが豊富だなあ。