ごめん物心ついた時からのジャイアンツファンの私だが、今日は浮気してしまった。
何といっても私にとって記念すべきスポナビ第1回目の投稿は井上選手だったのだ。
フジがノンタイトル戦にもかかわらずゴールデン生中継するという超異例な井上尚弥デビュー3戦目。
そりゃあもうジャイアンツが勝つ!と信じて、今日は井上だろう。
ひな壇に歴代の世界王者とお笑いタレントをいっしょくたで座らせるバラエティー的乗りにも目をつむり、ひたすらゴングを待った。
100年にひとりゴールデンボーイ井上の対戦相手は日本ランク1位佐野友樹という骨のある相手だ。
小学生からボクシングを始めたという佐野はここまで17勝12KO2敗4分けという堂々たる成績。
風貌も昔風のいかにもたたき上げといった感じの骨っぽい相手だ。
好対照な二人の風貌が劇画チックだ。
ボクシングのメッカ後楽園ホールが異様な熱気に包まれている。
この雰囲気いいねえ。
目の肥えたファン達がかつて見てきた歴戦の兵達と井上を比較しようと集まってきている。
リングアナの納豆のようなねば~~~った選手紹介が終わり、いよいよ試合開始。
井上のパンチは速い!
すべてのパンチが佐野選手にあたるような感じだ。
すると井上のパンチで早くも佐野の右目上がカット。
2Rにはタイミング良く左をもらって佐野最初のダウン。
立ち上がってからも井上ラッシュ。
佐野の人生最大の大勝負があっけなく終わるのか、これじゃあドラマにもならないぞと思ったが何とか持ちこたえる。
しかし4Rに佐野再びダウン。
井上圧倒的なスピードと手数で佐野を圧倒するが、フィニッシュまで持っていけない。
5R以降も井上がジャブ、ストレート、フックと相変わらずスピード豊かにパンチを繰り出し佐野は防戦するのに精一杯。
ところが終盤明らかに井上の右が出なくなり、拳を痛めたのではと放送席で言われ始める。
事実井上は拳を痛めていた。
7Rあたりからはほとんど左1本でパンチを繰り出す状態で右はほとんど出さない。
それでも佐野選手は武器である右のパンチを出せず防戦に追われる。
井上のパンチは面白いようにヒットするが佐野は倒れない。
これは判定までいくのかな・・・と思った最終10R。
井上が明らかに佐野を倒しにかかった。
痛いはずの右も混ぜながら左を的確に当てる。
佐野はもう立っているだけだ。
結局レフェリーストップ。
井上3連続KO勝ち。
佐野は意地を見せて倒れる事はなかったがこのストップは妥当な判断だ。
ランキング1位の相手に、勝って当然と思われるデビュー3戦目の二十歳の若者。
勝って当然と思われる試合程勝つ事が難しいのはボクシングに限らずどの分野でも言える事だ。
しかし井上はこのプレッシャーに打ち勝った。
ほとんど攻め続けてのフルラウンド。
佐野にボクシングをさせなかった。
10R戦える経験を積めた事は大きな収穫だ。
痛めた拳は心配だが、次は日本タイトル挑戦だ。
4戦目での日本タイトル挑戦はあの辰吉が同じ4戦目で当時の日本王者岡部に挑んだのと同じ歩みだ。
世界王者になる事はあくまでスタートラインと言い切る怪物井上。
彼から目を離せない。