恒例となってしまった年末世界タイトルマッチ祭り。正直な気持ちもう少し分散してくれないかって思いです。しかしそれだけ国内にチャンピオンが君臨している証なので仕方ないのかもしれません。そんな世界戦祭りから、真打ち内山とかつてロマゴン戦待望論があった井岡を取り上げさせていただきます。
内山に敗れたオリバー・フローレス。
敗戦後のコメントで「内山がハードパンチャーとは感じなかった」なんて何とかの遠吠えを発しています。
これだけはっきり負けた時には、相手に敬意を表すか、それが嫌なら黙っているべきですね。
そんなん内山がハードヒットを当てる間もなく強烈なボディーで倒れましたやんって言われるのがオチです。
第1ラウンドから、あしたのためにその1内山の左ジャブが的確に相手の顔面を捉えます。
フローレスは時折左をフック気味に伸ばしてきますが右が当たらない為効果はありません。
3Rで早やフローレスの右目がパンチの影響を受け始めていました。
相変わらず的確に当たるジャブ、右のストレートもヒットし完全に内山のペースで進んだ3R中盤。
内山の左がボディーをえぐります。
ワンテンポ遅れ、もんどりうって倒れるフローレス。
内山11度目の防衛に成功した瞬間です。
前回10度目の防衛戦時、何の不安もなくなったと宣言してジョムトーンを2Rで葬ったのに次ぎ3RKOと早々に試合を決めた内山選手。
具志堅氏の13度防衛が目の前に見えてきましたが、内山が望む海外進出の機は完全に熟したと言って良いでしょう。
逆に今行かねばいつ行くのかという状況。
同じスーパーフェザーの三浦隆司は海外で名を売ることに成功し、敗れたとは言え先日の世界戦は年間ベスト試合に選ばれすぐに世界への再挑戦が実現しそうです。
その三浦にボンバーレフトを被弾しダウンを奪われた上に右拳も痛め左ジャブだけで勝った内山。
遅ればせながらいよいよ海外デビューに向けて渡辺会長の手腕が問われます。
余談ですが内山の防衛戦の記録を見ると、11回防衛中同一国の相手はベネズエラと日本が2回ずつで後は全て異なる国の選手。
実に9カ国の選手と戦って防衛していることになります。
対戦が予想されるニコラス・ウォータースはジャマイカですので何ともワールドワイドです。
8か月前ファンカルロスレベコから見事タイトルを奪って3階級制覇を成し遂げた井岡一翔。
つい2年前までは絶対王者への道を歩んでいたのにロマゴンとの戦いを避けたイメージがついてしまい、アムナットルエンロンに完敗してからは忘れられかけた存在になってしまいました。
レベコ戦はクレバーな戦いで文句のつけようがない勝利でしたが、井上や山中、内山、三浦などが披露する派手な勝ち方ではなかった為、完全に汚名返上とならなかったのは気の毒でした。
しかしリマッチとなった今回は誰が見ても文句のつけようがない勝利。
序盤から井岡の的確なパンチがレベコを捉えます。
井岡のファイティングスピリットは素晴らしく何度もラッシュを見せる積極的なボクシングを披露してくれました。
最後はこれまた強烈なボディーでレベコたまらず前のめりにダウン。
それまでのダメージの蓄積もあってついに生涯初のKO負けを喫する事になりました。
輝きを取り戻す戦いを見せてくれた井岡。
ある意味内山のスーパーフェザーよりも役者が揃っているフライ級。
井岡の照準はやはりファン・フランシスコ・エストラーダでしょうか。
それとも・・・今や井上との対戦が熱望されるローマン・ゴンサレス戦を模索するのか。
いずれにしても今年こそ誰もが納得するマッチメイクを願いたいです。
内山高志 25戦24勝(20KO)1分
オリバー・フローレス 31戦27勝(17KO)2敗2分
ニコラス。ウォータース 27戦26勝(21KO)1分
井岡一翔 20戦19勝(11KO)1敗
ファン・カルロス・レベコ 38戦35勝(19KO)3敗
ファン・フランシスコ・エストラーダ 35戦33勝(24KO)2敗