年末恒例のボクシング世界戦
井上尚弥というスーパースターは存在するものの、長谷川穂積、内山高志、山中慎介、三浦隆司などのビッグネームがここ3年強で姿を消し、先日は村田諒太も敗れた日本ボクシング界。
井上尚弥が絶対的強さを誇っているので、まり目立っていませんが、ボクシング界全体として見ればひところの勢いにやや陰りが見られるような気がします。
そんな中、恒例の年末世界戦が今年も行われます。
もう少し分散して欲しいんですがテレビ局の思惑によりダブル、トリプル世界戦が開催されるのは恒例になってしまいました。
現在日本の世界チャンピオンは
この3人に今回防衛戦を行うWBOスーパーフェザー伊藤雅雪、WBCライトフライ拳四朗の計5名。
だいぶ減りましたね。
今回挑戦者として登場するのが、日本ボクシング界初の4階級制覇を狙う井岡一翔に尚弥の弟で注目される井上拓真。
挑戦する二人と、敵地アメリカで37年ぶりにタイトル奪取に成功した伊藤雅雪については、今回の試合がひとつの試金石になります。
伊藤雅雪
敵地の完全アウェイ状態で文句のつけようがない判定勝ちで王者についた伊藤。
正直言って、伊藤?Who?という程度の印象しかなかったのに大番狂わせ。
何しろあのロマチェンコが返上した王座を、決定戦で1位の選手(ホープと言われていた)に完勝。
初防衛戦もランキング1位の指名挑戦者エフゲニー・チュプラコフ。
アマチュアで150戦!プロで20戦全勝。
すごい・・・。
しかし王座決定戦で対戦したランキング1位(当時)クリストファー・ディアスも対戦時23戦全勝(15KO)の強者。
凱旋防衛戦で強さを見せられれば一気にスター街道に乗ることが出来るでしょう。
井上拓真
モンスターの弟がついに世界戦のリングに上がります。
2016年の年末に決定していた世界戦を右拳故障のため断念。
それから早や2年。
顔も見たくないルイス・ネリ王座はく奪後のWBCバンタム級王座決定戦。
井上拓真にチャンスが巡ってきました。
相手は2位ペッチ・CPフレッシュマート(タイ)戦績は48戦全勝33KO。
数字だけ見ればどんだけ強いねんって感じですが、伊藤と対戦するチュプラコフ同様あまり情報がありません。
拓真のスピードが相手をどこまで翻弄できるか。
ここ突破しても拓真にはランキング1位ノルディ・ウーバリと3位ラウシー・ウォーレンとの勝者と対戦が義務付けられています。
ここは何としても勝って、明るい未来を開かねばなりません。
井岡一翔
ある意味今回最も注目されるのが井岡一翔。
突然の引退から1年半。
全ての退路を断ってアメリカで出直し。
カムバック初戦で難敵マックウィリアムズ・アローヨに完勝。
見事第一線に返り咲きました。
アグレッシブな攻撃に、以前とは違う魅力を感じた人も多かったと思います。
そして迎えた王座返り咲きのチャンス。
これを勝てば日本ボクシング初の4階級制覇。
相手は同じく勝てば4階級制覇となるドニー・ニエテス。
年はだいぶ喰っていますが、パウンドフォーパウンド10位の強豪。
格だけで言えば、ニエテスの方が上かもしれません。
しかし、一時は多くのバッシングを受け続けた井岡。
現在日本のリングには上がれませんが、ニエテスに勝って、くすぶっている汚名を返上し、再びセンスの塊のようなボクシングを日本のリングで見せられる日が来るのか。
井岡人生最大の決戦の時です。
伊藤雅雪 26戦24勝(11KO)1敗1分
エフゲニー・チュプラコフ 20戦20勝(10KO)
井上拓真 12戦12勝(3KO)
ペッチ・CPフレッシュマート 48戦48勝(33KO)
井岡一翔 24戦23勝(13KO)1敗
ドニー・ニエテス 47戦41勝(23KO)1敗5分