アマゾンで放映された、プライムビデオボクシング10。
7個の世界タイトルマッチと、アジアパシフィック王座決定戦が行われた。
ザっと見た感じ、額面通りの実力を発揮出来たのは寺地拳四郎と中谷潤人の二人。
田中恒成と井上拓真はまさかの敗退。
ユーリは異論轟轟だがスプリットでの勝利。
アンソニー・オラスクアガは何と1R偶然のバッティングでノーコンテスト。
那須川天心は強敵相手に一方的な勝利だったが、世界を目指すには課題も多い印象。
各選手ボクシングの難しさを痛感する結果となったが、冒頭の二人は格が違った。
拳四郎についてはまたの機会に書こうと思うが、今日はやはり中谷潤人。
アンドリュー・モロニー戦の戦慄KO勝利以降、ど派手なKO勝利を重ね、ネクストモンスターと呼ばれるまでに名前が売れた中谷選手。
今日の相手は前回同様ランキング1位。
ペッチ・ソー・チットパッタナと舌を噛みそうな名前だが、戦績は77戦76勝(53KO)1敗という物すごい成績。
2018年に井上拓真との暫定王座決定戦で初めて敗れたが、以降28連勝。
年間平均4試合以上こなしている計算で、ちょっと驚く。
今までダウンを喫したことがないとのことで、相当タフな選手だと予想された。
実際リング上で見て、長身の中谷選手に対し、ペッチもそれほど変わらぬ印象。
試合は1Rから中谷の右ジャブが面白いようにあたり、ペッチは入り込めない。
2R以降ペッチは接近戦を試み、パンチを繰り出すが、中谷も右ジャブ、左フック、ストレート、右アッパーなど多彩なパンチで応戦。
この状態は3R以降も続き、中谷優位に進んではいるが、ペッチもパンチスピードが速く、左も威力があり、まともに喰らうとダメージをもらってしまう危険性を感じる。
実況では中谷が圧倒しているような感じだが、実際はそれよりスリリングな展開。
それでも、手数、威力共に中谷が上回っており、強烈なパンチを浴びせても、ペッチ選手は表情を変えず打ち返してくる。
何とタフな選手なんだ・・・と、そう思っていた6R。
中谷の右、左、右、左・・・と全て威力満点の連打。
これにはペッチたまらず、プロ入り初のダウン。
勝負あったと思われたが、ペッチ立ち上がる。
立ち上がるだけでなく、反撃を試みるペッチ。
タフだけでなく、ハートも強い。
最初のダウンから1分ほど経過したラスト10秒。
中谷の左ストレートがペッチを捉え、その後左、右とパンチをフォローするが、最初の右が決定打となり、ペッチの身体はリングに沈んでいった。
レフェリー、カウントを取らず試合をストップ。
中谷またも強烈な印象を残すKO勝利を飾り、バンタム級2度目の防衛に成功。
バンタムは4団体全て日本選手がチャンピオンだが、おそらく他の選手が中谷を倒すのは至難の業と思われる。
試合後、リング上での勝利インタビュー。
中谷選手は「パウンドフォーパウンド1位を目指す」と宣言。
自然、避けて通れないのは井上尚弥となる。
果して両者の対戦は実現するのか。
可能性としては、中谷選手がすぐにスーパーバンタムに上がる。
それしかないと思う。
井上尚弥もおそらく後2戦したらフェザーに転向するだろう。
対決のタイミングとしては来年しかないと思う。
見たいような、見たくないような・・・気持ちは複雑だ。
もし実現すれば、ボクシング興行過去最高の盛り上がりは必至。
モンスター対ネクストモンスター。
明日以降、可能性を論ずる記事があふれるんだろうなあ。
WBC世界バンタム級王者 中谷潤人 29戦29勝(22KO)
挑戦者同級1位 ペッチ・ソー・チットパッタナ 78戦76勝(53KO)2敗