24日にプロボクシングトリプル世界戦が行われた。
アマゾンプライムでの中継となったが3試合とも日本選手が勝利。
田中恒成、井上拓真、そして中谷潤人、それぞれ実績もあり強い選手だが3人3様のドラマが背景にあり今回の勝利は更なる高みに3選手を連れていくものだった。
今日はその中で中谷潤人選手を取り上げる。
ボクシング界はモンスター井上尚弥が君臨。
日本ボクシング界は現在9人の世界チャンピオンがおり絶頂期と言って過言でない。
現WBAスーパーフライ級チャンピオンの井岡は100年にひとりの選手と言われた。
井上尚弥が登場した時、私ははてなに移る前のスポナビでの最初の投稿で彼のプロ2戦目の試合を見て200年にひとりかもしれないと書いて投稿した。
あれから11年、井上尚弥は世界中の強豪にリスペクトされる存在になった。
そんな井上を追いかける男がネクストモンスターと呼ばれる中谷潤人だ。
173cmとボクシング選手としては長身。
リーチも176cm。
中谷の試合を見ているとリーチの長さがめちゃくちゃ武器になっているようだ。
左から繰り出すパンチはまるで鞭のようにしなって相手にヒットする。
それと中谷程相手顔面にパンチがヒットする選手はあまりいないのではないか。
ラッシュ時、中谷のパンチは右も左も全て顔面にクリーンヒットしており相手選手はたまったものではない。
タイミングの良さと腕のしなりによる相乗効果で相手はダメージを受けてフラフラ。
今回の相手アレハンドロ・サンティアゴ(ちょっとルイス・ネリみたいな風貌)はあのノニト・ドネアに勝って世界チャンピオンになっており、戦績を見ると対戦相手も骨のある相手が多く、ダウンもしたことが無いと(放送で言ってた)のことでなかなかの難敵だったと思う。
しかし6Rの中谷が放った最初の左ストレートのダウンでもう勝負はついており、レフェリーはカウント10を取らなかったがサンティアゴの目はうつろだった。
そこからの中谷のラッシュは恐怖が感じられる凄さで、全てのパンチは顔面を捉え、結果サンティアゴはなぎ倒されてレフェリーストップ。
圧勝である。
長谷川穂積、山中慎介、井上尚弥が君臨してきたWBCバンタムを中谷潤人が継承。
これでバンタムは中谷と、WBAの井上拓真、IBFのエマニュエル・ロドリゲス、WBOのジェイソン・モロニーの顔ぶれ。
他にも那須川天心、比嘉大吾、ロドリゲスへの挑戦が決まっている西田凌佑の日本勢など群雄割拠の時代に突入。
可能性として中谷対井上拓真の対戦実現も出てきたことになり目が離せない。
しかし今回の試合を見る限り中谷選手が4団体王者の中で一番強いのではないか。
少し打たれてしまうことがあり、そこは少々心配だが、現状攻撃力が十二分にディフェンス面のちょっとした穴をカバーして余りある。
井岡が100年にひとり、井上尚弥が200年にひとりとしたら、中谷選手は140年にひとりの選手なのかもしれない。
WBC世界バンタム級王者 中谷潤人 27戦27勝(20KO)
前王者 アレハンドロ・サンティアゴ 37戦28勝(14KO)4敗5分