紆余曲折を経てついにこの日を迎えることとなった。
残るひとつのベルトを保持するWBOチャンピオンポール・バトラーとの統一戦。
4団体統一戦とは言え、両者戦えば圧倒的に井上尚弥が有利とされ、実際にバトラーに勝ち目はないと思われた。
この状況下でバトラーはよくぞこの試合を受けてくれたと思う。
マッチメイクの難しさは歴史が物語る。
バトラーには申し訳ないが、この試合が決定された時点で井上尚弥の4団体統一が成ったも同然だった。
そして迎えた今日の試合。
何とdtv独占。
私はAmazonプライムには入っているがdtvは過去に一度無料期間のみ入っていたが、正式登録していないため見ることが出来ない。
改めて入会すれば良いのだがdtvに魅力を感じておらずそれをしなかった。
しかし幸いYouTubeでフルに試合を見ることが出来、今それを見終わった。
結果は11R井上尚弥のTKO勝ち。
2018年WBSS1回戦でファン・カルロス・パヤノ戦での衝撃KOから4年。
バンタム級初の4団体統一が成った瞬間だ。
もう圧勝。
ガードを固め足を使って逃げ回るバトラー。
よくぞKO(TKO)まで持っていった物だ。
試合は1Rから井上のペース。
ペースという生易しい言葉では言い表せない。
バトラーはほとんどパンチを出さず(出せず)井上はバトラーのガードの上から右、左と強烈なパンチを見舞う。
途中バトラーが出てこないので井上はノーガードで誘うが挑発に乗ってこない。
試合を受けてくれたハートには敬意を表すが、言っちゃ悪いが試合ぶりはチキンだった。
まるで判定まで持ち込めばバトラーの勝ちで井上はバトラーを倒さなければ負けというハンデがつけられているのかと錯覚するような試合展開だった。
それも井上の圧力があまりにも強大でそうならざるを得なかったんだろう。
最後は井上らしい猛ラッシュで、バトラーの腹も気力も体力も根こそぎ奪ってしまうような強烈な異次元ボディが炸裂し、その後の連打でたまらずダウン。
もう立ち上がる気力も体力もバトラーには残されていなかった。
この瞬間に井上尚弥悲願の4団体統一が成ったのだ。
既定の路線どおりスーパーバンタムに戦いの場を移すことなる。
井上尚弥新章の始まりだ。
次なる標的はスティーブン・フルトンかはたまたムロジョン・アフマダリエフか。
バンタム級4団体統一王者 井上尚弥 24戦24勝(21KO)
前WBOチャンピオン ポール・バトラー37戦34勝(15KO)3敗
WBC・WBO Sバンタム王者 スティーブン・フルトン 21戦21勝(8KO)
IBF・WBA Sバンタム王者 ムロジョン・アフマダリエフ 11戦11勝(8KO)