野球のWBCが社会現象と化しているが、ボクシングの方も大一番が決定した。
バンタムを統一したモンスター井上尚弥のスーパーバンタム転向初戦の相手が既報の通りWBC・WBO2団体統一王者スティーブン・フルトンと正式に発表されたのだ。
正直な感想、フルトンよくぞ受けてくれた!
フルトンにとって井上に勝つこと以外何のメリットもない試合。
本人が望んだということらしく、高額ファイトマネーだけが決定要因ではないだろう。
勝つ自信があるからこその対戦希望に違いない。
井上から見ても過去最大の難敵だ。
今までのフルトンの言動を見聞すると、とてもクレバーなボクサーだとわかる。
無論実績は申し分ない。
KO勝ちが少ない印象を持つかもしれないが、これは鵜吞みには出来ない。
相手選手によって自由自在に戦い方を変えられる選手だ。
そう簡単に勝てる相手ではない。
当然それは井上も覚悟のうえ。
バンタムからスーパーバンタム転向に伴う身体の違い。
フルトンは井上との対戦がクローズアップされる前はフェザーで戦おうとしていたほどで、対格差も戦ってみなければわからない未知数な部分だ。
しかしバンタム統一に4年を費やした井上にとって、いきなりふたつのベルトを奪取するチャンスが訪れたことは間違いなく、フルトン戦をクリアすれば4年かかったバンタムより相当早く4団体統一の目が見えてくる。
井上にとってもこれ以上燃える材料はない。
過去階級を上げてベルトを取りに行った2試合は戦前の評価をあざ笑うかの如く戦慄のノックアウト勝利。
相手が強ければ強いほど圧倒的な勝利を飾ってきた。
それがモンスターたる所以でもある。
しかしさすがに今後の戦い方は自然バンタムとは異なってくるだろう。
井上本人も語っているように、基本はフルラウンド戦って判定で勝つ戦い方。
その中でチャンスがあれば倒しにいくことになるが、今までのように衝撃的なKO勝利は難しくなるだろう。
こういった展望が出来るのが逆に井上の凄さを表していると思う。
個人的にはスーパーバンタムに上がっても井上が負ける姿は想像できないが、今までとは違う井上の強さが見られるのではと本当に楽しみにしている。
5月7日が待ち遠しい。
前バンタム級4団体王者 モンスター井上尚弥 24戦24勝(21KO)
S・バンタム級2団体王者 スティーブン・フルトン 21戦21勝(8KO)