ザ・モンスター井上尚弥がマーロン・タパレスを10Rノックアウトで2階級での4団体統一を成し遂げた。
しかし思った通りマーロン・タパレスは危険な相手だった。
試合は圧倒的に井上が優勢だったのは間違いない。
しかしタパレスは最高の仕上げ、練り上げたであろう井上に勝つための戦略を実行してきた。
普通なら4R、4Rに倒せていなくても5Rの井上の猛攻でタパレスはリングに沈んでいても不思議ではなかった。
そのふたつのラウンドは毎回井上が繰り出す怒涛の攻撃が炸裂したのだがタパレスは勇敢に打ち返してきた。
タパレスは左構えからノーモーションで繰り出す左右のパンチ、アッパーカット、半身の構えから伸びてくる左のストレートやカウンター狙いのパンチとどれも危険なパンチだった。
さらには上手いと言われていたフルトンよりもタパレスの方が上手いのではと思う程のディフェンス力。
パンチの数は圧倒的に井上の方が多かったが、それを感じさせないタパレス。
井上も結構パンチを当てられて予断を許さない。
7~9Rは井上も仕切り直しのように改めて突破口を見つけだそうとするかのようなパンチを繰り出す戦い方で、少し膠着状態。
これは判定までいくな・・・と思った10R。
ここで勝負に出てきたタパレス。
相手が出てくれば逆に井上にチャンス到来だ。
ワンツーから右ストレート一閃。
これがタパレスの左テンプルにもろにヒット。
ワンテンポ遅れてタパレスリングに崩れ落ちる。
ここまでの被弾でダメージが蓄積されていたのとあまりにもクリーンにヒットしたストレートが重なって、タパレス立とうとしても膝が崩れて立てず。
10カウントが取られ井上尚弥のKO勝利。
ここに2階級での4団体統一が成ったのだ。
試合後の井上選手の顔は劇戦後とは思えない綺麗な顔。
この試合を見てやはり井上尚弥は200年にひとりの天才だと思った。
天才が努力しているのだから負けるはずがない。
今回のタパレス戦を経て井上は更に一回り強くなったと思う。
あれほど苦労して4団体統一を成し遂げたバンタムと違って、スーパーバンタムではフルトン戦で二つ、5カ月後の今日タパレスから二つを獲得。
バンタムのベルト返上から僅か1年でスーパーバンタムを統一してしまった。
試合後あと2年はスーパーバンタムに留まることを明言した井上選手。
次はあのルイス・ネリ?それともムロジョン・アマダリエフ?
4団体統一王者 井上尚弥 26戦26勝(23KO)
前2団体統一王者 マーロン・タパレス 41戦37勝(19KO)4敗