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異次元の領域に入った男子マラソン世界記録だが・・・

ベルリンマラソンケニアの選手が2時間2分57秒と、史上初めて3分を切る世界最高記録をたたき出しました。

2位の選手も今までの記録を更新というレースで、これでベルリンマラソンは男子マラソン記録世界10傑の1位から7位までを占めることになりました。

確かにベルリンは記録製造コースではありますが、2時間2分台という記録は日本選手にとっては、いやケニアエチオピア勢以外の国にとってと言い換えてもよいかもしれませんが、ほとんど絶望的な気持ちにさせられるタイムと言わざるをえません。

かつて男子マラソンは得意種目のひとつでしたが、日本の歴代10傑を見ると、ほとんどが2000年代前半までに生まれた物で、懐かしい名前が並びます。

唯一現役として名を連ねているのが「市民ランナー」川内のライバル藤原のみというのが現状を表しています。

では勝負にならないのか?

何といっても選手達の最終目標はオリンピックで優勝することです。

その観点からみると、オリンピックの(ちなみに世界選手権も)最高記録は2時間6分台です。

共に、これまたケニアの選手ではありますが、このタイムなら日本選手にも不可能な数字ではありません。

マラソンでは勝負とタイムは別物です。

あの高橋尚子さんもシドニーで金メダルを取った後、新記録を公言して挑んだベルリンで女子で史上初の2時間20分の壁を突破しました。

もちろん能力があったからこそですが、オリンピックで優勝するためにはいろんな要素がそれこそ全て上手くいって初めて可能性が出てきます。

そこにはスピード、瞬発力など、かつてはマラソンでは二義的だった要素も無視できなくなり、さらに積極性、レースの駆け引き、

水分補給まで含めたトータル的な戦略が優勝するために必要です。

世界記録ははっきりいって、難しいと言わざるをえません。

足が長くて、バネがあって、高地の国で全身持久力が優れているケニア勢が圧倒しているといって良いでしょう。

しかしオリンピックでは駆け引きがとても重要になります。

基本先行逃げ切りというパターンはひとつの必勝法ですが、オリンピックの場合しばらくは集団での駆け引きが見られます。

先行集団に食らいついていくことは必須ですが、駆け引きが始まるとタイムはそれだけ遅くなります。

豊富な練習量と各国選手との駆け引き。

過去には駅伝がマラソンへの登竜門的なところがありました。

しかし駅伝は皆でたすきをつなぐことは確かですが、レース中は他の選手との駆け引きより個人の頑張りが全てです。

それでは、なかなかマラソンでの駆け引きを身につけることはできません。

スピード、心肺機能向上、レースの駆け引き、それぞれを強化していかないとだめということになりますが、まずは入賞を目標に(今でもそうなんでしょうが)強化法を見つけて行ってほしいですね。

応援するこちらも(マラソンだけに)長い目で見て行こうと思います。