東京オリンピックのマラソン代表を決める一発勝負のMGCが終わりました。
男女1位、2位の選手が自動的に代表決定。
そこには過去の実績も忖度も派閥も格付けも関係なし。
マラソングランドチャンピオンシップの結果が全て。
今日の報道を見ると、総じて選手の評判は良いようです。
もちろん陸上ファンなど世間の評判も同様。
何で今までこれが出来なかったのかと思いますね。
よくぞ英断してくれました。
代表3選手を選ぶのに4大会が選考レースになっていた矛盾。
主要マラソン大会のスポンサーへの配慮もあったでしょう。
当日の気象条件や、コースの特性などでタイムも変わる。
選手によって得手不得手なコースということもある。
参加外国人選手のレベルで順位も変動する。
選考にあたって重視されるのは順位なのか、タイムなのか?
そんなこんなで代表選考にあたっては毎回必ずと言っていいほど問題が発生。
選手に責任はない物の遺恨を残すことになってしまうケースが多かったですね。
それが今回は時期もほぼ同じ、ほぼ同じコースで代表決定戦行う。
その決定戦に出場する選手も基準を設定し、時間をかけて選出。
2019年9月16日というピンポイントでのピーキング能力も試される。
良いことづくめのMGCだったと思います。
今回1位、2位に入った選手4名の内3名は元々暑さに強い選手。
特に女子は1位前田穂南が2017年、2位鈴木亜由子が2018年の共に真夏に行われる北海道マラソンの優勝者。
真夏に開催される東京オリンピックでは暑さというファクターがとても大きな意味を持つことになり、暑さに強いのは大きな武器になります。
代表決定の4名は1年間の準備期間が与えられ、女子が8月2日、男子は8月9日にピークを持っていくために綿密な計画を立てることが出来ます。
問題は第3の男、第3の女です。
これはMGCファイナルチャレンジと銘打たれ、男女各3レースで陸連が設定したタイムを超えた記録最上位の選手が選ばれ、誰もタイムを超えなければ16日のMGC3位の選手(男子大迫・女子小原)が最後の3枠目の代表となる訳です。
これが実に悩ましい。
男子の設定タイムは2時間5分49秒、女子は2時間22分22秒。
男子は今回大逃げを打った設楽悠太だけが可能性としてチャレンジ出来るタイム。
女子は気象条件さえ整えば大阪国際か名古屋ウィメンズで十分可能なタイム。
小原は間違いなくどちらかに出てくるでしょう。
問題は男子。
設楽は今回の大逃げで自身の補強ポイントが明確にわかったと思われ、レース後の彼は「何も考えたくない」と語っているようですが必ずチャレンジしてきます。
チャレンジするのは間違いなく来年の東京マラソン。
ここで日本記録を狙ってくるでしょう。
大迫がファイナルチャレンジに出るか出ないかが話題になっています。
大迫はここまでマラソン4回。
2017年にボストン、福岡国際の2走。
2018年にシカゴで日本最高記録達成。
そして今回のMGCに出場して合計4レース。
どちらかというと間隔をあけて走るタイプのようです。
来年東京マラソンに出場した場合、結果として3人目の代表になっても調整がうまくいくのかという懸念があります。
こればかりは本人の気持ち次第でしょう。
難しい判断ですが、東京オリンピックに出ることだけが目標なら出場。
東京オリンピックでメダルを狙うなら出ない。
こういうことになるのかと思います。
今回の代表決定プロセスはオリンピック本番でも期待が持てる選手を発掘することに役立ちました。
来年の本番が待ち遠しいです。