伝統の別府大分毎日マラソンが行われた。
風光明媚なコースで大阪国際女子マラソンと並んで私の好きなコースだ。
ただ如何せん風の影響を受けやすい。
いつだったか忘れたが、ヒゲの鎌田選手が現役で走っていた時、先頭グループの5人(だったと思う)があるときは縦一列、ある時は横一列に、何度も先頭が入れ替わり、駆け引きに満ちた戦いを見せてくれてそれはもう見てて面白かった記憶がある。
最近はどのマラソンも記録が出やすいコースに変更されており、別大マラソンも例外ではない。
特に今回は天候にも恵まれ、気温も適正、風の影響も受けず、最後35キロ以降は追い風という絶好の条件だった。
5人のペースメーカーも30キロまで見事に5キロ15分少々のラップを揃え選手をリード。
記録が出る条件は整っていた。
レースはペースメーカーが外れた途端に外国勢二人がスパート。
あっという間に差が開き、日本選手は誰も付いていくことが出来なかった。
残念ながら勝負はこの瞬間に決まってしまった。
日本選手は今回本番ではないし、MGCの出場権獲得が第一義。
しかしこのスパートについていく選手が居なかったのは正直残念ではある。
それでも日本選手で形成された3位グループはペースを落とすことなく走り切った。
日本人1位の市山選手含め2時間7分台4名はMGC設立前迄は考えられなかった。
学生新記録を叩き出した青山学院の横田選手は途中日本人先頭集団から遅れだしたが、最後に盛り返し4位、日本人選手では2番目のフィニッシュと見所十分。
東京オリンピックの代表選考で考え出されたMGC。
MGCが世に出て以降明らかに日本のマラソンはレベルがアップした。
最近の記録向上は目を見張るばかりだ。
設楽、大迫、鈴木の各選手が相次いで日本最高記録を更新したのは2018年以降。
それまでの記録は2002年まで遡らなければならない。
しかし世界はさらに先に行っており何と2時間1分9秒!
日本最高記録2時間4分56秒は世界最高記録で言えば2003年時点の記録になる。
マラソンは記録が全てではないが、世界との差はまだ大きいと言わざるを得ない。
解説の瀬古氏は手放しで喜んでいたが、実際は世界で戦うためには今回のような条件下では多くの選手が6分台をコンスタントに出すようにならなければならない。
2月26日の大阪マラソン、3月5日の東京マラソンを経て今秋開催されるMGC。
そこでは(もちろん気象条件によるが)最低でも日本最高記録の更新、出来れば2時間3分台に複数選手が突入できるような大会になって欲しい。
それで初めてパリ5輪への期待が高まると言えるのだ。