来年のラグビー日本選手権が種々事情により19年ぶりワンマッチシステムになるそうです。
私は過去の経緯はどうであれ、日本選手権の冠を残すならこの一発勝負こそ本来の姿と思っていました。
協会の発表を見れば、このワンマッチは今回のみで、再来年からは再び複数チームと大学による仕組みを模索するようですが・・・。
日本選手権と言えば、その昔成人の日の風物詩として大いに盛り上がりました。
超満員の国立競技場には成人式を終えた多くの晴れ着を着たお嬢さんが観戦に来て、グラウンドの泥臭さとは対照的に彩りを添えていました。
試合も当初は学生も社会人と対等に戦い、熱戦が繰り広げられました。
学生の目標も明確に社会人チームを倒すことでした。
新日鉄釜石の黄金時代には平尾、林、大八木などスター軍団同志社が釜石に勝つのではという期待も持たせてくれました。
結果として同志社軍団を中心にチームを構成した神戸製鋼が学生に対して圧倒的な勝利を続けることで、ワンマッチの見直し機運が高まったというのは皮肉以外の何物でもありませんが・・・。
出場枠を拡大した1997年以降、仕組みは猫の目のように変わっていますが学生が決勝に残った事は皆無です。
社会人はトップリーグ創設により更なるレベルアップが図られました。
対して学生は少子化や他競技への流出などもあり、しかも最大4年間のスパンの中、毎年チームを作り直さないといけないハンデがあります。
しかしそれでも、全国大学選手権優勝イコール日本選手権進出というシンプルな仕組みこそが、大学生にとって目標がより明確になりうると思っています。
学生スポーツと社会人によるプロ、セミプロがそれぞれのカテゴリーでトップを決める。
学生が持てる力の全てをぶつけて社会人の優勝チームに立ち向かう。
この醍醐味は本来ワンマッチシステムであってこそと思うのです。
おそらく再来年からは再び複数チームでの選手権スタイルに戻るでしょう。
つかの間の復活ですが、古き良き時代の雰囲気を味わえるのが今から楽しみです。