プロ野球オープン戦は序盤戦。
多くの選手を起用して開幕1軍メンバーを見極める段階です。
準レギュラーや若手は首脳陣にアピールする最大のチャンス。
ベテランは若手に負けられないと、経験を生かして、その存在感を高めます。
理想はベテランと若手のバランスの取れたチーム。
世代交代がうまくいってるチームとそうでないチームでは活力が全然違います。
ジャイアンツはここ最近、この切り替えが最も上手くいっていないチームの代表のような印象を持たれています。
たとえば昨年9月1日のジャイアンツの先発オーダーは、
1番 陽 30歳
2番 マギー 34歳
3番 坂本 28歳
4番 阿部 37歳
5番 村田 36歳
6番 亀井 35歳
7番 長野 32歳
8番 小林 28歳
9番 投手
年齢はいずれも昨年同時期のものですが、スタメン(投手除く)平均年齢32.5歳は高いと言わざるを得ません。
25歳前後の主力選手がおらず、若手が育たないと言われても仕方がありません。
ジャイアンツが目先に囚われすぎた選手補強を続けてきたことの弊害です。
もちろん優勝が最大の目的なので勝つための補強は必要ですが、何事も度を過ぎると、ろくなことがありません。
高橋監督も当然そのことは承知のようでオープン戦で若手を積極的に起用しています。
その中で期待の吉川、岡本が結果を出しているのは嬉しい限りですね。
吉川 23歳 12打数4安打 打率.333 打点1
岡本 21歳 15打数4安打 打率.308 打点2 本塁打1
そのほかにも和田22歳、辻23歳、重信24歳、山本24歳、などの若手が積極的に使われています。
また中堅ではありますが立岡27歳も元気です。
そんな中ドラフト3位のルーキー大城捕手25歳(NTT西日本)が4打数3安打1本塁打と猛アピール。
記事によると、その打力を活かしファーストコンバート案が浮上しているとのこと。
確かに捕手ではベンチを温める時間が多くなるので、打力を活かすためにコンバートという気持ちはわかります。
ところが昨年末に打撃でブレイクした宇佐見24歳も、同じ記事によればコンバート案が出ている模様。
競争が激化してレベルアップにつながるのはとても良いことですが、どうも行き当たりばったりで、そこにチーム戦略はあるのか・・・と思ってしまう訳です。
特に捕手は相川、鬼屋敷引退、實松が戦力外通告、すでに加藤健もいないので、ベテラン不在の状況とは言え、小林が絶対的なレギュラーとして君臨しており、宇佐見、河野なども成長してきた中で、ドラフト2位、3位の捕手指名。
と思ったのも束の間、宇佐見、大城に早くもコンバートの可能性がささやかれる。
コンバート先にはサードから回ってきた岡本が居る状況。
その岡本も本職のサードからレフトに回ったと思ったらゲレイロ加入でファーストへ。
確かに可能性を求めてポジションを変更する考えはわかります。
競争によりレベルアップを図れることも確かにあるでしょう。
しかし、外国人選手や他球団からの補強により、成長の場をまともに与えられず守備位置を変更するのは安直です。
もちろん選手にも責任はありますが、球団が個々の選手に対し成長プランを描けているのか、説明しているのか、コーチは目標を持たせて到達度合いをチェックしているのか。
その前段階のドラフトに球団は戦略を持って臨んでいるのか。
他球団からは次々若い主力選手が登場してくるのに、ジャイアンツからは出てこない。気が付けば選手層も薄くなってしまっている状況は見ていて辛かったです。
とは言うものの、オープン戦では芽吹きを感じられる選手が出てきたことも事実。
上記に掲げた若手達から複数の選手がレギュラーを掴められれば展望が開けます。
オープン戦中盤から後半に向けてこの流れが加速していることに期待し、魅力あるジャイアンツへの第一歩を踏み出せることを信じたいです。