まずは比嘉大吾選手。
チャンピオンとしてあるまじき体重超過。
もちろんルイス・ネリとは次元が違いますが結果は同じ。
本人の責任も重いですが会長の責任も重いです。
もしこの試合で16連続KO勝利の記録を作っても嬉しいはずもなく、
実際あんなことが起きて、比嘉選手は試合が出来る精神状態ではなかったでしょう。
詳しい経緯は当事者にしかわからないので推測で書くのはやめますが、いずれにしても比嘉選手の精神的なショックは計り知れず、今後の精神的後遺症が心配です。
会長との信頼関係は大丈夫でしょうか。
さて村田諒太選手初防錆戦。
エンダム戦の勝利が昨年10月。
あれから半年しかたっていないんですね。
テレビ解説を務めた長谷川穂積氏が初防衛戦の前日は寝れなかったと語ってました。
それほど緊張する初防衛戦。
昔からベルトは取るより守るほうが難しい、と言われているのはご承知の通り。
特に初防衛戦は大きな壁となって選手の前に立ちはだかります。
村田選手が入場してきました。
かなり意識して冷静さを保っている様子。
アドレナリンを出さず、努めて平常心を保って入場しているように見えました。
リングアナの長い長い口上。
村田がタイトルを奪取した時と同じ有名なリングアナですが、今回「ニッポンノボクシングファンノミナサマコンバンワ」と日本語を交えましたが、長いのは長い。
その前のイタリア国歌も長かったので(これはまあ仕方がない)なかなか試合が始まりませんでしたが、始まってからは、はっきりいって村田は1ミリも危なげがありませんでした。
ブランムラタ・・・いやブランダムラ選手は引いたり、回ったり。
まともに前には出てきません。
挑戦者なんですから、いくらこれが彼のスタイルでも、逃げ回るだけではベルトを取ることは出来ません。
2Rでしたか、村田の右ストレートがブランダムラ、ドクタースランプの博士のような絵が描かれていたボディを捉えた時に、これは早々に決着がつくと思いましたが、前述のように、あんなに引いてばかりでは簡単には倒せません。
もらったパンチも身体を後ろに引きながら受けており、さほど効いていない感じ。
それでも6R後半にようやく村田一方的に攻めて、いよいよ7Rゴーサインが出るかと思いましたが、もうひとつ攻めきれず見ていてイライラする展開。
8Rも後半まで同じような流れで、イライラも最高潮に達するかと思ったその時、村田のストレートが火を噴きました。
たまらずロープ際を回り込んで逃げようとしたブランダムの左顔面に村田の追撃ストレートが一閃。
ブランダムラの顔面がガクガクと揺れたと思った次の瞬間崩れ落ちるようにダウン。
今日初のダウンでしたが、パンチの蓄積が思った以上に効いており、カウント途中で
レフェリーは試合をストップ。
村田初防衛が成った瞬間でした。
普通の選手なら、パーフェクト!と称賛の嵐でしょうが、村田選手は更なる高い目標を見据えています。
目標とするゲンナジー・ゴロフキンはまだまだ大きな壁としてそびえ立っています。
今日の試合で満足してはいけませんし、村田自身も当然満足はしていないでしょう。
それでも、前に出てこない選手を相手に、全く危なげない中でしっかりとKOで決着をつけられたことは良かったです。
課題も成果も見られて村田選手にとって有意義な一戦だったと思います。
村田諒太 18戦14勝(11KO)1敗
エマヌエーレ・ブランダムラ 30戦27勝( 5KO)3敗
クリストファー・ロサレス 30戦27勝(18KO)3敗
比嘉大吾 16戦15勝(15KO)1敗