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フィギュアスケート 現役復帰 高橋大輔の挑戦

7月に1年限りの現役復帰を発表した高橋大輔選手が、先日行われた近畿選手権で4年ぶりにリンクに戻ってきました。

2月に平昌オリンピックの現地レポーターとして現場へ出向いた高橋氏。

そこで見た選手たちの戦う姿を見て刺激を受けた事は容易に想像できます。

織田信成氏がバラエティを中心に水を得た魚のようにテレビで活躍するのに比べ、高橋大輔氏は今一つ乗り切れないような、ちょっとレポーターには向いていないのではという印象を持ち続けていました。

現役を引退したものの、スッキリしない気持ちが心のどこかに潜んでいたのでしょう。

ソチから4年。

男子フィギュアは益々4回転の重要性が増すばかり。

平昌では真・4回転時代が到来していました。

しかし今シーズンは採点基準が大きく変わり、ジャンプの重要性を残しつつも、よりトータルパッケージとしての演技が求められるようになりました。

これは高橋選手にとっては追い風。

現役復帰を決めた一つの要因になったと思います。

しかし4年のブランクはやっぱり大きかった。

肉離れなどで調整遅れ。

全日本への一里塚近畿選手権が復活戦となりました。

超満員の尼崎スポーツの森。

何と入場券を求める抽選倍率は15倍!

みんなが高橋選手の演技を待ちわびていました。

しかし結果は・・・。

SPはさすがに貫禄の首位発進。

ところがフリーは本人曰く「復帰してからこんなボロクソな演技は初めて」

彼が持つ唯一無二の優雅な雰囲気は色あせていませんでしたが、ジャンプ、ステップ、スピンなどは散々な出来。

世界一のステップと言われた高橋選手。

そんな高橋が今回レベルを落としてしまったのはちょっと信じられない気持ちです。

ジャンプも後半は回転不足、ダウングレードの連続。

PCSはさすがの貫禄でトップの得点をもらっていますが、技術点は39.52点という信じられない低得点。

結果フリーは出場選手中4位となりトータル3位。

ブランクと復帰後の負傷の影響が大きいとは言え本人もこの結果はショックでしょう。

このまま終わる訳には行きません。

かえって高橋選手の心には火が付いたと思います。

次は11月1日から始まる西日本選手権。

そこで出場権を獲得し、今回復帰の最大目標全日本へ進みます。

個人的には1シーズン限定という縛りを設けず、復帰したからにはとことん楽しんで、やり切ったら良いと思います。

まだ身体も完全に絞り切れていないようですし、状態はどんどん良くなっていきます。

滑るたびに、ディスイズ高橋と言える演技を見せてくれるでしょう。

高橋選手の存在感は絶大です。

小塚、織田、町田、無良・・・次々現役を引退していった男子選手達。

高橋が復帰することで薄くなった選手層に一本芯が通りました。

復活した高橋選手の演技を見てスケーターを目指す子供たちも出てきます。

当然現役選手にも良い影響を与えるでしょう。 

高橋大輔にはフィギュアスケート界の伊達公子を目指して欲しい。

そう思わずにはいられません。