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賛否両論 野手を投手起用の原采配 故野村氏が監督だった時のオールスターゲームを思い出した

6日のタイガース戦での原采配に対する批判が渦巻いている。

少しおさらいをすると、タイガース8回裏の攻撃。

この回からマウンドには堀岡。

スコアは0対4でジャイアンツが4点のビハインド。

ジャイアンツの残る攻撃チャンスは9回表1イニングだけという状況だった。

逆転の可能性が無いわけではないが、ベンチは正直しんどいというのが本音だろう。

2点差までなら全然問題ない。

3点差でも勝っている方からすれば、まだ安心は出来ない。

しかし4点差で後1イニングの場合、両チーム共に今日はこのまま終わりと思ってもおかしくない。

しかもまだシーズン序盤だ。

選手によっては試合後の飯のことを考えているかもしれない。

ここからタイガースは代わった堀岡を攻める。

サンズ(ヒット)大山(投失出塁)ボーア(2塁打)梅野(四球)木浪(ヒット)

植田(四球)島田(右飛)中谷(本塁打

ここまで打者8人に対して1死しか取れず7点を献上してしまい0対11。

ジャイアンツにすれば、どうしようもないグダグダな試合になってしまった。

ここで問題(となった)原監督の投手交代が告げられたのだ。

ピッチャー増田!

 

この采配に翌日から大騒ぎ。

ジャイアンツOBのみならず評論家、大リーガーも巻込む一大論争になってしまった。

比較的ファンは冷静だったのが、この采配に対する全体的な評価だと思うが、私は今回の論争で、あることを思い出した。

それは1996年のオールスター第2戦。

パリーグ監督の故仰木彬氏が打席に松井を迎えた場面でピッチャーイチローをコール。

球場は沸きに沸いたが、セリーグ監督の故野村克也氏が松井の代打で高津を指名。

野村采配に対して球場がブーイングに包まれた・・・という一件だ。

野村監督の怒りは凄まじく、これについては暫く賛否両論賑やかしい事だった。

この時のシチュエーションはパリーグがリードしていてセリーグ最後の攻撃。

ツーアウトであと一人の状況でバッターは松井。

ここでピッチャーイチローがコールされたのだ。

オールスターという場をお祭りの一環として考えた仰木監督のサービス精神。

これに対しオールスターと言えども真剣勝負の場と考えた野村監督。

二人の性格が如実に表れた場面だったと思うが、イチローも松井も代打に出された高津もやりにくくて仕方がなかっただろう。

今回はこの時と違って負けていた方のチーム(ジャイアンツ)が野手を投手に起用。

仰木監督は完全にファンサービスだが、原監督は戦略的起用だ。

残っていた投手は大竹、中川、大江、鍵谷の4人。

原監督意外なら100%鍵谷だっただろう。

しかし勢いのついたタイガーズ打線にもし鍵谷が打たれたら、大竹、中川、大江の内、誰かを登板させなければならない。

しかし増田が打たれたとしても鍵谷を出せるので残る3人を休ませることが出来る。

ジャイアンツは雨で3試合流しており、今後連戦が組まれることになる。

出来る限り大事に投手を使わなければならない事情がある。

増田の投手としての能力、適性を見抜いていたからこそ出来る采配だったと思う。

確かに奇策ではあるが、選手全体を首脳陣が把握できている表れとも言える。

ジャイアンツの好調の原因がここらあたりにもあると書けば余りにも贔屓に過ぎるだろうか。

それにしても起用に応えた増田もほんとよく投げたよ。

でも、ノムさんが健在ならこの件に関して何とボヤいただろう。

想像はつくけど、実際に本人の口から聞いて確かめたかったなあ~。