北京オリンピックが開幕してまだ5日しか経っていない。
本来ならこれから益々気分が盛り上がっていくところだが、私個人的には早くも見るのに疲れてしまった。
じゃあ、見なきゃいいだろって声が聞こえてきそうだが。
年取ったのかなあ・・・。
4年に1度のオリンピックはアスリート最大の目標だ。
メダルを狙える選手にとっては最終ゴールと言っても過言ではない。
各選手が持てる力を出し切る姿は本来感動的であるはずだ。
しかしだ、今大会は何故こんなに重苦しい雰囲気が漂っているのだろう。
スポーツは本来楽しい物だ。
しかし、選手たちはよく言葉では楽しみたいと言うが、それは自分をリラックスさせるために発していると思われ、実際はそんな気分で試合に臨めるはずもないだろう。
有名なオリンピックのモットー「より速く、より高く、より強く」。
これらを研鑽するには並大抵な努力では成し得ない。
世界選手権は年に1度、又は2年に1度あるがオリンピックは4年に1度。
ピークをそこに合わせるのは運と共にたゆまぬ努力が必要だ。
そういった選手達の戦いが感動を呼ぶが、今大会は何か違う。
たった5日間なのにいろいろありすぎた。
高梨選手の服装規定違反。
気丈に挑んだ2本目のジャンプ。
精神的にはズタズタだったのは間違いない。
何故オリンピックの神様は高梨に試練を与え続けるのか。
インスタに乗せた謝罪を読んだが、そこまで追い込まれるのはやはり異常だ。
ただひとつだけ救われたのが1万件にも及ぶとされる高梨への激励の投稿。
つい先日まで愚かな連中のバッシングが強調されていたが、応援する人々の方が圧倒的多数なのだ。
今後の進路は高梨にしか決められないが、少し休養して決めたら良い。
真面目なので立ち直るのに時間がかかると思うが、また跳びたくなるに違いない。
羽生結弦選手。
ライブで見ていたが、その瞬間時が止まった。
まさかSPの最初のジャンプで3連覇が事実上消滅するとは・・・。
そんなことがあって良いのか?
インタビューでは彼らしく真摯に答えていたが、自分でも何を話したか覚えていないんじゃないだろうか。
夢であって欲しいって感覚。
こうなればフリーでの狙いはひとつ。
世界で初のクワドアクセル認定。
それしかない。
3連覇はもう脳裏から消すことが出来る。
集中。
後継エースはすい星のように現れた。
後のことは任せればよい。
誰が何と言おうと世界一美しい羽生結弦の演技。
羽生結弦集大成のフリーを見逃すな。
竹内智花選手。
パラレル大回転決勝トーナメント1回戦。
タイムは関係なし。
先にゴールした方が勝ち。
竹内選手が転倒して、ほぼ同時に相手選手も転倒。
竹内は立ち上がって先にゴールしたが相手選手への妨害があったとして途中棄権扱いとなってしまった。
見たところ妨害はしていないだろう。
竹内選手が抗議したことに対してまたもバッシングが見受けられる。
物言わぬ日本人。
故石原慎太郎氏が書いたベストセラー「NOと言える日本人」
まさか今の時代でも、納得できない時に抗議することに対してその姿勢に異を唱える人々がこれほど多くいるのかと驚いてしまった。
これも、高梨選手と同じでノイジーマイノリティなのかもしれないが。
高木菜那選手。
初めて五輪で同じ1500メートルを妹美帆選手と出場出来たのに。
妹は惜しくも銀メダル。
姉は最終周バックストレートで相手選手と接触。
これもまた相手選手がルール通りにコースを譲らなかったためのアクシデント。
たとえ敗れても持てる力を出し尽くせたならば、後に残るのは清々しさだ。
それがアクシデント的なことが理由で不完全燃焼に終わる。
他にも公式練習中に大怪我で試合を棄権せざるを得なかったケース。
コロナ陽性で試合に出られなかった選手。
今大会は初めから普通ではないのもまた事実。
まだ大会は12日間も残している。
これからもまだまだ予期せぬ出来事が起こりそうな気がする。
何故今大会はこんなに重苦しいのだろう。
そうそう、今日たまたま見た競技の中に、心の底から楽しくそれでいて最後の演技で今まで試みたことのない超大技に挑戦して見事に決めた選手が居た。
フリースタイルスキー女子ビッグエア 谷 愛凌選手。
悲壮感の欠片もない。
OK!やって見せるわ!出来なかったら今日はそういう日だったってことだわね。
私が勝手に文言を作ってしまったが、何かそんな感じだった。
アメリカ出身の中国選手ではあるが、これぞオリンピック!
こういった感動をどんどん味わいたいものだ。