今年のGⅠレースも残す所3レース(障害含む)。
今週はいよいよグランプリ有馬記念。
あとは2歳中距離王を決めるホープフルステークス、そして中山大障害だ。
これらを合わせて現在年間で26レースのGⅠが行われているが(JRA)、これを東西厩舎別に見た場合どういった傾向なのかを数字で示そうと言うのが今回の内容だ。
競馬に関わる人が最も勝ちたいのはダービーで間違いないだろう。
これは昔も今も変わらない。
次に取りたいのは昔なら天皇賞だったと思うが、今はジャパンカップであろうか。
ジャパンカップの創設は日本競馬を根底から覆す快挙だった。
第1回のジャパンカップ。
来日した外国馬は決して超一流ではなかったが日本馬は足元にも及ばなかった。
ある外国人調教師は日本は競馬場で鹿が走っていたと言ったとか。
それがどうだ。
今ではイクイノックスが世界最高の評価を受けるまでに向上。
凱旋門賞こそ勝てていないが世界のGⅠで日本馬が勝つのは何の不思議もない状況だ。
昔は3歳馬はクラシックレース(皐月賞・ダービー・菊花賞・桜花賞・オークス)を目指すのが当たり前で、古馬になったら春秋天皇賞・有馬記念を目指すのみで距離の適正や牝馬のレース体系はほとんど考えられていなかった。
それが今は距離別、牝馬の3冠、古馬牝馬の目標レース、地方を入れるとダート馬についても全て目標を見据えられるレース体系になっており、昔とは雲泥の差だ。
おっと、話がそれてしまった。
現代の競馬に関西も関東もないが、昔は東西の対抗意識は強かった。
関西の騎手が関東に遠征して関東の有力馬に乗ることはあり得なかったし逆も然り。
それどころか8大競争とそのトライアル以外で関西馬が関東に遠征して走ったり、その逆もほとんどなかった。
今では考えられない閉鎖的な状況だった訳だ。
私が競馬を知った頃はもしかしたら最も対抗意識が強かった時代かもしれない。
関西馬タニノムーティエと関東馬アローエクスプレスの対決は子供心に興奮したのを覚えている(どんな子供や!)
関東に怪物ハイセイコーが出たら翌年関西に新怪物キタノカチドキが登場。
さらに関東で怪物中の怪物カブラヤオーが登場。
昔はある意味東西に対決色が濃くなる方が競馬は盛り上がったのだ。
それでも基本的には関東が強かった。
東西交流が普通に行われるようになってからしばらくは関東馬が関西の重賞レースを制することが多かった。
関西馬が関東に遠征して重賞に挑んでも勝てなかった。
潮目が変わったのはオグリキャップの登場あたりからだと思う。
次々と関西に生まれるスターホース。
武豊騎手の登場とも一致するのは偶然ではあるまい。
決定的だったのが栗東トレセンに完成した坂路。
故戸山為夫氏が坂路を積極的に使用しミホノブルボンという名馬が生まれる。
その後多くの調教師が追随し、坂路調教で身体が強くなった馬が多かったのだろう。
それ以降長年続いた西高東低。
それがここ最近流れが変わりつつあるのだ。
以下に2018年以降GⅠレースの東西別優勝馬を記す。
数字は3段あるが上から➀26レースの東西別。
以下②3歳牡馬牝馬3冠レースの東西別。
最後に③天皇賞(春・秋)・宝塚記念・ジャパンカップ・有馬記念の東西別だ。
■2018年
➀関西15 関東12
②関西2 関東4
③関西2 関東3
■2019年
➀関西17 関東9
②関西5 関東1
③関西3 関東2
■2020年
➀関西18 関東8
②関西6 関東0
③関西2 関東3
■2021年
➀関西13 関東13
②関西2 関東4
③関西3 関東2
■2022年
➀関西13 関東13
②関西2 関東4
③関西1 関東4
■2023年(23レース時点)
➀関西10 関東13(3レース残す)
②関西3 関東3
③関西1 関東3(有馬記念残す)
という結果。
2年連続東西で同じ勝ち数。
それが今年残り3レース時点ですでに関東馬が13勝。
あと1勝すればいつ以来か忘れるくらいのブランクで関東馬がGⅠ勝利数で関西を上回ることになる。
しかしここ数年は関東馬にスターホースが次々と現れている気がする。
やはりきっかけはアーモンドアイからか。
その後2020年はコントレイル、デアリングタクトと関西馬が牡馬牝馬共に3冠馬という快挙を成し遂げたが2021年にはエフフォーリアにグランアレグリア。
2022年にはいよいよイクイノックスが登場。
牝馬もスターズオンアースが2冠。
古馬ではタイトルホルダーが頑張るなど関東馬の逆襲が顕著になってきた。
そして今年、牝馬こそ関西馬リバティアイランドが奮闘するが牡馬3冠は全て関東馬は制し、古馬はイクイノックスの独壇場となった。